いずぃなり

伊豆でのシニアライフ

おのおのの色育んで冬の山(あ)

【写真】第二グランドの山模様。

f:id:jijiro:20181205073558j:image
毎日目にするなんということもない初冬の山模様だが、なぜか今日は懐かしさを覚えた。この山の木々の色具合は、母校の中学校の裏山の色だと思った。
私が通った中学校は、市の東端にあり、目の前に湯の島、裸島という島が浮かぶ風光明媚な温泉町にあった。そこで美術の時間は大抵の人がその風景を切り取って写生するのだが、一人、学年が一つ上の先輩が、校舎の裏に迫る秋の山を描き、それが市のコンクールで特選を取ったことがあった。その時の評が「独特の色合い」だった。それがとても衝撃的で今でも私の心に残っている。もしかしたら、今の私に絵を描かしめる原点がそれだったかもしれない。
高校に進学し、芸術科目は美術を選択した。迷いはなかった。そこで油絵を知り、その後油絵にのめりこんんでいくかと思いきや、そうはならなかった。扱う絵具が水彩絵具から油絵具になって、少し大人になった気分にはなったが、どうもあの油臭い絵具に馴染めなかった。
今も油絵には手をつけようとは思わない。私の美意識のどこかに中学時代に衝撃を受けた「独特の色合い」を出したいという思いが潜んでいる気がして、だから、このようななんの変哲もない景色にふと心奪われたりするようなのだ。


【温泉】一二三荘。
夜は雨が降るとの予報で、では少し早めに出かけようと午後4時半に家を出たら、ちょうど雨が降ってきた。
今日は内風呂で我慢するかとウィンドブレーカーを脱いでiPadをいじっていたら、雨が上がった模様。「Yahoo!天気」の雨雲レーダーで確認したら、6時頃まで雨雲が切れ、それ以降はまた雨雲がかかる気配だった。6時まで降らないのだったら行ってしまえと一二三荘へ向かったら、途中でパラパラ雨が落ちてきた。でも、湯に浸かっているうちに雨が止むだろうことを期待して、そのままカブを走らせる。
風呂場には誰もいなかった。一人で湯に浸かっていると、そこへ枝雀氏が入ってきた。開口一番、「雨降ってるよ」。雨降ってるのに、バイクで来たの? の意である。
枝雀氏は一二三荘まで歩いて来る。歩いて2、3分のところにお住まいだと以前聞いたことがある。5時を回ったから(一二三荘へ)来ようと思って家を出たら雨が降ってきたので、少し止むのを待って出て来たよと言いながら、湯船の大窓を開けて雨の降り具合を見、「もう止んでるよ」と、洗い場に上がった私に声をかける。
他愛のないことだけど、こうした気遣いをしてくれるのがなんとも嬉しい。温泉効果もさることながら、湯屋ならではの裸の付き合いが心身の疲れをほぐしてくれるのだなあとしみじみ感じ入ったことだった。


【タイムラプス】12月4日(火)5:48〜7:11の伊豆長岡の空。20秒。

https://www.facebook.com/aisakajiro/videos/10218064481665765?sfns=1
撮影途中で雨が降ってきて、iPhoneを30分早くしまい込む。