いずぃなり

伊豆でのシニアライフ

ニッポン、チャチャチャ

朝、急坂を下り切ったところで自転車のチェーンが外れた。今日は韮山駅に自転車を置くつもりだったが、家を出るのが少し遅れて、それで気が急いていた。空回りのペダルに抵抗が加わるのを待ちきれずに、力んでペダルを漕いでしまったのがいけなかった。カクン、ガラガラッ。自転車を路肩にひっくり返し、外れたチェーンをはめる。チェーンはかなり錆びついていた。伊豆に自転車を持ってきて以来全く手入れをしていないから、当然といえば当然のこと。ブレーキの効きも緩くなってきたし、どこかでメンテナンスしなくてはいけませんな。

三島田町駅から職場まで歩く。普通に歩いて25分。職場にはちょうど7時半に着く。7階の準備室までエレベーターで上がり、何はともあれiPhoneでW杯の日本対ギリシャ戦の速報を見る。前半途中で0対0。と、窓を開けると、下から「ニッポン、(チャチャチャ)」という合唱が聞こえてきた。見下ろすと、隣接する小学校の児童たちがグランドに集まっていて、運び込まれた大型テレビか何かを見ながらだろうか、そこでギリシャと戦っている日本代表を応援していたのだった。小学校もなかなか粋な計らいをするものです。私も見たくて見たくてたまらなかったが、仕事とあってはやむを得ない。机に戻って、外から聞こえるかわいい合唱が、天を衝く大音声に変わることを期待したのだったが、「ニッポン、(チャチャチャ)」は「ニッポン、(チャチャチャ)」のままだった。
ところで、この「ニッポン、チャチャチャ」であるが、なぜ「ニホン、チャチャチャ」と言わないのか。中村明『語感トレーニング』(岩波新書)によると、「両唇の破裂音という点では古風な『ジパング』も間のびのした感じの『ヤポン』も共通だから、ここは『ニッポン』の『ッポ』というふうに〈促音〉に続く両唇の〈破裂音〉Pという音声構造が力強さを印象づける」のだそうで、「おっぱじめる、かっぱらう、こっぴどく、すっぱ抜く、突っ走る、ひっぱたく、など、同じ音構造をもつ単語は総じて力強く響く」とも。促音に破裂音が続くと力強く響くってわけ。だから応援は「ニホン」ではなく、どうしたって「ニッポン」。ギリシャ戦は残念ながら勝ち点1に終わったが、まだ予選突破の望みはある。25日のコロンビア戦はぜひとも2点差で勝ちたいものだ。がんばれ、ニッポン。9,172歩。
写真は、チェーンの外れた自転車。嫌な予感が的中してしまった。不死鳥となりて羽ばたけ八咫烏(あ)
f:id:jijiro:20140621112342j:plain