いずぃなり

伊豆でのシニアライフ

北窓をあけて寄り合ふ公民館(あ)

新型コロナウイルス感染の拡大が一向に収まる気配がない中で、選抜高校野球の開催が中止と決まった。静岡県からは「カトガク」の名称で親しまれる沼津市の加藤学園が初出場の予定だったが、その甲子園が夢と消え、部員たちはさぞかし無念に思っていることだろう。

その無念さをぐっと堪え、地元テレビ局のインタビューに応じた主将はこう言った。「自分たちにはまだ夏があるので、夏の出場を目指してチームを作り直したい」。その言葉には、こんなことでくじけてたまるかという強い意志が感じられた。いいぞカトガク、その意気だ。

さて今日は、東日本大震災から9年目に当たる日。あれから9年が経っても、なおあの日のことが忘れられないままに、依然として避難生活を余儀なくされている人々が全国に4万7,737人いる(内閣府3/10現在)。そして、今も行方が判らない人が2,529人いる(警察庁3/10現在)。

ついさっきまで一緒にいた人が突然いなくなる。どこを探してももうどこにもいないと知ったときの悲痛は想像を絶する。その深い悲しみを背負いながら、後に残った人々はそれを乗り越えようと懸命に生きる。不幸にして震災の犠牲に遭った人々の分まで生きようとしている。

私の生き方もあの日を境に変わった。生きたくても生きることが叶わなかった人のためにも、生きられるまで生きなければ何だか申し訳ない気がした。一瞬にして津波が何もかも呑み込んでいく様子をテレビで見て、自然の破壊力に、なす術のない人間の無力さを思い知った。

自然に逆らおうなんておこがましいことを考えてはいけない。自然のなすがままに従い、自然とともに在ることを考えて暮らしていこう。

そんな気持ちが日に日に強くなり、自然豊かな暮らしを求めて諸方の物件を見て回っているうちに、ひょんな縁で今の家と巡り合った。

今の家は、ほとんど衝動買いだった。駅から歩ける。二階から富士山が見える。庭木に梅があり、八重桜があり、甘夏があり、柚子があり、枇杷があり、柿があり、百日紅があり、椿があり、山茶花があり、松があり、そして何より近くに源泉掛け流しの日帰り温泉がある。

このように書き留めていくと、終の住処としてこれ以上の場所はないと改めて思う。私はとても満足しているのだが、カミさんは未だに横須賀に住んで伊豆に住まう気はないらしい。


【今日の一枚】地区の公民館。

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これから頻繁に行き来することになるだろう公民館。

玄関左が事務室で、そこにWindowsノートパソコンが置いてある。が、インターネットにはつながっていない。だから、打ち込んだデータは外部に漏れることもない。

前任の会計担当は、家のパソコンで打ち込んだデータをUSBでここへ運んで帳簿整理をしていたと言う。でも私が持っているパソコンはMacなので、それができない。もし会計の仕事をするとなると、ここへ通わなければいけない。まあ、家から大した距離でもないし、仕事の帰りにちょっと寄るスモールオフィスみたいにして使ってみるのもいいか。

 

【絵日記】別役実(No.118)

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「ハード鉛筆」ツールで下描きし、「ミディアムエアブラシ」ツールで仕上げた。「ハード鉛筆」で多少影を入れて立体感を出してみた。その分時間がかかって、描きあげるのに約40分。

 

【温泉】一二三荘。

 

【タイムラプス】3月11日(水)5:47〜7:09の伊豆長岡の空。20秒。

https://www.facebook.com/aisakajiro/videos/10222171677463093/?d=n