いずぃなり

伊豆でのシニアライフ

うぐひすのケキョ一端の恋心(あ)

先日、老人会の副会長さんに紹介していただいた囲碁の強い方のお宅を訪ねた。

午前に電話したらお留守で、昼過ぎに改めて電話したらご在宅だった。「碁勉強にお伺いしてもよろしいでしょうか」と言ったら、「いいですよ、お待ちしています」とのこと。さすがに手ぶらというわけにもいかず、コンビニで麦茶のパックを一箱買って持参した。

呼び鈴を押すと、「勝手に上がってきてください」と奥の部屋から声がかかった。92歳のご高齢の身には、よっこらしょと立ち上がるのも難儀らしい。そうかと思うと、その割には年賀ハガキで当たった景品を交換しに駅近くの郵便局まで行ったりする。私が部屋へ入ると、四つ当たったと言って景品を見せてくれた。

景品を見せ終わると、今度はアルバム。今、アルバムの写真を整理しているところだと言って、数冊積み上げたアルバムのいちばん上のやつを開いて私に見せる。セピア色のモノクロ写真には92歳翁の若かりし頃のお姿があった。

昭和3年生まれの翁は今年92歳。まさに戦時の真っ只中に多感な青春時代を過ごした方なんですね。

アルバムの次のページには戦闘機の前でポーズをとっている写真があった。「これは零戦ですか?」と訊くと、「いや、これは赤トンボというやつだな。練習のときにこれに乗る」と教えてくれた。そして、「ここに写っているのは私の戦友で、この人は特攻隊でこのあと死んだ」と言う。

決して軽くない過去をさらりと言う。特攻隊と聞いて私は心穏やかではない。翁の戦友はどういう気持ちで敵艦に突っ込んでいったのだろう。軽々に口を挟めない重い空気があったが、それも一瞬で、「では(囲碁を)やりますか」と92翁が言ってアルバムを閉じてくれたことで、私の心は幾分救われた。

碁盤と碁石は別の部屋の床の間にあった。碁盤は、木のケースを被せた立派な足付き5寸4分の本榧(カヤ)材で、「重いよ」と言われた通り、持ったら重かった。碁石は、これまた立派な那智黒と日向蛤。それを指に挟むだけでも有段者になったと錯覚してしまう。

92翁とは5子置いて4局打つ。結果は●●●○の1勝3敗。最後の勝ちは欠け眼なのに翁が二眼あると勘違いしたことで転がり込んだもの。いわば相手のうっかり見損じによる勝利ではあるのだが、それでも勝ったことに変わりはない。4連敗してもおかしくないところで勝ち星を拾ったのは大きかった。

そのせいだろうか、1級と自己申請して始めた5子局だったが、92翁から初段の力は十分あるとお墨付きをいただく。これは素直に嬉しかった。

 

【今日の一枚】たらこウインナー。

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先日、孫に食わせようと作ったが、孫には不人気だった。それで、晩酌に私が摘んでいる。結構旨いと思うんだけどなあ。

 

【絵日記】操縦練習機「赤トンボ」(No.121)

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「ソフト鉛筆」ツールで絵を描き、文字は「ミディアムエアブラシ」で書いた。ここまで約2時間半。今日はさすがに肩が凝った。

jpegで保存し、あとは貼り付けるだけ、というところまできて、背景に青空が欲しくなった。で、もう一度「Concepts」を立ち上げ、「ミディアムスプレー」ツールでシュッと青を吹きかける。これだけでもずいぶん雰囲気が出る。

 

【温泉】一二三荘。

 

【タイムラプス】3月25日(水)5:39〜8:03の伊豆長岡の空。35秒。

https://www.facebook.com/aisakajiro/videos/10222346294588412/?d=n