いずぃなり

伊豆でのシニアライフ

提灯のまだかまだかと花火待つ

あやめ湯(18:20)6→4人。昨日よりさらに30分遅くなった。大場の病院から家に帰って来たのが午後6時近くになってしまい、今日はよほど内風呂で済まそうかと思ったが、でもやっぱりあやめ湯に入りたくて出かけてしまった。

ガラス戸を開けてこんばんはと挨拶すると、真ん中の洗い場にいたマイ桶氏が私の声と認めたのだろう、真っ先に振り向いて、ほらここへ来な、俺はあと歯を磨くだけだからと言って洗い場を譲ってくれた。マイ桶氏が中にいることは脱衣所の籠の荷物で分かった。マイ桶氏はいつも大きいスポーツバッグを持ってくる。それに木製の桶と風呂椅子とパジャマを入れて来るのだ。

洗い場を譲ってくれたマイ桶氏は、奥の狭い方へ移動し、歯を磨きながら隣の人と今日の高校野球静岡大会決勝のことを話している。誰にでも気さくに話しかけるからみんなに好かれる。そして彼がいるだけで場が華やぐ。人情溢れるあやめ湯の雰囲気はこの人が作り出しているといってもいい。

あと番台のおじさん。今では、私が自販機で入浴券を買っている間に黙ってロッカーの鍵を番台に用意してくれるようになった。米朝氏(今日は来ていなかった)が言うには、番台に座って3年になるという。それなら私が伊豆に暮らすようになったのとほぼ同じ時期だ。訛りからして伊豆の人ではないと思っていた。この前、韮山反射炉世界文化遺産登録が決まったとき、熊野古道を引き合いに出しながら世界遺産も善し悪しでな、と言っていたところから推して、和歌山か三重のご出身ではないかと思っていた。雨が続いた梅雨のある日、下駄箱の上のテレビで天気予報を見ながら、しかしよく降りますね、大台ケ原の辺りは(雨の予報地図が)真っ赤ですよ、大台ケ原って日本でいちばん雨が降るんですよね、と番台のおじさんに声をかけたら、わしは三重の出身やけどと言ったので、やはりそうだったかと合点した。

歯を磨き終えたマイ桶氏は軽く湯舟に浸かった後、ではお先にと皆に声かけて出て行った。マイ桶からはボディタオルとして使っているイワシ漁の茶色い網が少しはみ出ていた。どうも、おやすみなさい。

2,505歩。

写真は、狩野川土手にぶら下がった提灯。提灯には「狩野川まつり」の文字が見える。8月3日の夜はここに屋台が並び、下の河川敷からは約3000発の花火が打ち上げられる。(あ)

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