いずぃなり

伊豆でのシニアライフ

三島の蕎麦屋

雨の日の朝は田京駅まで歩く。普段より早めに家を出なければいけないので気忙しい。駅まで歩くときに使う近道は、間伐材で段を拵えただけの山道のような未舗装の通り道だが、樹の茂みが道の上を厚く覆っていて、相当の強い降りでもない限り、土がぬかるむことはない。落ち葉が程よく敷かれてあるから、靴も泥んこにならない。この道は隣の民宿所有の私道だと思われるが、快く地元の通行を許している。民宿のオーナーは、元は旅館の女将さんだった人だという。一日三組限定の小ぢんまりした宿で、女将さん一人で切り盛りしているが、口コミはなかなかの評判らしい。一度、庭園の薔薇にホースで水を遣っていたのに出会したことがある。こんにちはと挨拶をしたら、口コミの評判通りの素敵な笑顔が返ってきた。

昼、三島の楽寿園正門脇を通り、バス道路に面した蕎麦屋に入った。よい食事処はないかという目で道を歩くと、和洋中のさまざまな店が意外に多いことが分かった。いかにも昔ながらの赤暖簾のかかった中華そば屋、通りの往来をガラス越しに眺められるお洒落なフランス料理店、ビルの1階が肉屋で2階がその肉を使ったレストランなどなど、仕事の帰りにこれらの店に一通り立ち寄って味比べをするのも一興かと思った。
昼下りの蕎麦屋の客は私一人だけだった。店を入った正面に日本酒や焼酎のボトルがずらり並んでいる。ここは居酒屋かと思うくらい。昼から蕎麦屋で一杯、という趣向がメインの店なのかもしれない。仕事が済んだから、別に昼から一杯呑っても構わないのだろうが、いくら好きだからといって、さすがに重い通勤バッグを脇に置いて呑む気にはなれない。蕎麦屋で昼から呑るには、第一身軽でなくてはいけないし、呑もうと思って暖簾を潜らなければいけない。
注文したざるそばを待っている間、棚に置いてあったスポーツ新聞に目を通す。来月にブラジルで行われるサッカーW杯日本代表に選ばれた大久保選手が、満面の笑みを浮かべて一面にデカデカと載っていた。記事にはサプライズとあったが、まあ、リーグの得点王ですから、そういう点では妥当な選出ではあるのかもしれない。怪我の長谷部も内田も選ばれた。残りあと一ヶ月。怪我の回復が何とか間に合ってくれると良いが。8,954歩。選ばれぬ流す涙の十三夜(あ)
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