いずぃなり

伊豆でのシニアライフ

白梅の白いや増して雨あがる(あ)

 昨日2/15は新聞休刊日で、土曜深夜の地震の揺れは、今日2/16のコラムで一斉に取り上げられた。その中で朝日新聞コラム「天声人語」を面白く読んだ。
 芥川龍之介が関東大震災を経験したときの様子が語られ、「3歳と0歳の息子を助け出すことなく玄関先へ駆け出し、妻に叱られ」たことを知った。また、延焼を恐れて避難した翌日は、「子どもたちの衣類を抱えた妻と違い、『漱石先生の書一軸』のみを風呂敷に包んだ」ともある。
 あの土曜深夜の揺れのとき、私は布団の中で深い眠りについていた。最初に揺れに気づいて私がしたことは、そのまま布団の中で揺れが収まるのを待つことだった。
 揺れはすぐに収まらなかった。あ、あのときの揺れに似ているなと思った。あのときの揺れとは、言わずもがな、東日本大震災のときの揺れである。
 ようやく長い揺れが収まった頃、遅ればせながらスマホの警戒アラームが鳴った。それで津波の心配がないことを知り、安心して寝入った。
 市の防災無線は無言だった。市のトップが警戒を発令するほどの事案ではないと判断したかどうかは定かではないが、結果として、下手に騒ぎ立てないで、じっと夜が明けるのを待つというのがいちばん賢明だったことになるか。
 結局私は、土曜深夜の揺れに対して何もしなかった。震源地が福島県沖と知っても、すぐに10年目の復興に汗を流す人々の恐怖に思い至らなかった。どうかご無事でと手を合わせることをしなかった。10年という歳月は、徐々に私から東日本大震災の記憶を、忘れてはいけない記憶の痛みを消し去ろうとしている。


【今日の一枚】雨上がりの庭の梅。

f:id:jijiro:20210217072525j:image
 昨日撮った。
 大荒れの天候から一転して青空が広がった。もしや、虹が出ているのではないかと空を仰いだが、虹は見えなかった。


【書】「州牧」しゅうぼく(No.601)

f:id:jijiro:20210217072510j:image
 「州の長官。地方長官。刺史。」(『旺文社漢字典』第2版)
 「州」は、川の流水の中にある中州(なかす)の形。古い字形では、三すじの水の流れの中央に、土や砂が堆積(たいせき)して水面上に現れた中州を楕円形でかいている。→白川静『常用字解』
 「牧」は、牛と攴(ぼく=攵)とを組み合わせた形。攴は木の枝を手(又=ゆう)に持つ形で、うつ、むちうつの意味となる。→同
 「刺史」とは何だと、これも『旺文社漢字典』を引いたら、「官名。漢代では地方を巡察する監察官、隋・唐代では州の長官。」とあった。「州牧」も「刺史」も、いずれも今は使われない言葉ですね。
 形が面白いというだけで、この字の組み合わせを選んだ。この「書」も600回を迎えたことだし、また以前の一文字の世界に戻ろうかな。


【タイムラプス】2月16日(火)5:53〜7:09の伊豆長岡の空。37秒。

https://www.facebook.com/1298610339/posts/10225489827654774/


【新型コロナ】2/16(火)10:00現在(Yahoo!より)
新規感染者数→965(前日比 −399)
重傷者数→658(前日比 −10)
累計死亡者数→7,0442(前日比 +73)