いずぃなり

伊豆でのシニアライフ

反故重ね六十七の秋暑し(あ)

【今日の一枚】1000枚の書道半紙。

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 湯屋の帰り、書店で書道半紙1000枚を買った。二学期になって書写コンクールが続くのに備えようというのである。

 この店で書道半紙を買うのは初めて。前までは通販を利用していた。小売店では1000枚単位は扱わないと思い込んでいたから。が、通販だと送料が馬鹿にならない。それで、もし地元の店で買えるならそれに越したことはないと、ダメもとで当たってみた。そうしたら、あった。

 あったのだけど、それはお客さんが店に頼んで取り寄せてもらったものだった。

 たまたまレジに入っていた店長さんらしき人に箱で1000枚欲しいと告げると、その人は一旦店の奥へ引っ込み、こういうのですかと持ってきて見せたのが写真のそれだった。見ると付箋がしてある。たぶん注文した人の名だろう。

 「そうです。こういうのです。……ありますか?」と私が訊くと、「あるのはこれだけです」って、それ、注文した人のじゃん。受け取り主が決まっているんじゃダメじゃんと諦めかけたそのとき、店長らしき人は、「ちょっと待ってください。売っていいかどうか訊いてみます」と言って、どこぞへ電話をかけた。

 「取り寄せ品だけど注文した方はずっと受け取りに来てないし、1000枚ほしいというお客さん(私)が店に来ているので、その方にお売りしてもいいですかね」と確認している声が聞こえる。電話先の人から許可がおりたらしく、それで、待てど暮らせど取りに来ない注文品を、めでたく私が買うことになった。注文しておいて半年も取りに来ないんじゃ仕方ないよね。お店でもさぞかし困っていたんだと思う。偶然にも私が手に入れることができたのはラッキーだったし、これまた偶然にも在庫を処分できて店としても助かったんじゃないかな。

 ここの店は、一応「書店」とはなっているが、実際には書籍売り場は半分弱のスペースしかなく、残り半分余は文房具用品売り場になっている。書道用品コーナーには端渓硯を置いてあるくらいだから、書関連用品は地方の文房具店の割に品数が多いことが推し量れる。それで、1000枚単位の半紙も扱っているのではないかと推察したのだったが、その類はどうやら取り寄せ注文になるのらしい。でも、急ぎでなければ、取り寄せ注文でいいんだよな。それなら送料の負担はない。なんで今までそのことに気づかなかったんだろう。

 さて一昨日のこと、ビッグコミックを買うのにこの店に立ち寄ったら、岩波新書のワゴンセールをやっていた。1冊10円、ですよ。ほとんどバナナの叩き売りですね。それで、新旧混交の新書がずらっと並べられた中から10冊買ってきた。

 本を買うときは大抵読みたいと思って買うのだが、買って部屋のそこらへんに積んでおくうちに、読まないまま埃をかぶることが多い。たぶん今回の10冊もそういうことになりそうだ。

 それにしても1冊10円は安すぎる。岩波新書もとうとうそういう扱いを受けるようになったかと感慨深いが、もしかしたら店をたたむ準備を始めたのかもしれない。岩波新書は私にとって、今でも各斯界の入門書として絶大な権威を誇るイメージだが、権威を誇っても売れなきゃ町の本屋はやっていけないということなんだろうな。

 

【書】「月暈(げつうん)」(No.435)

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 「月のかさ。月のまわりに見える光の輪」(『漢字典第2版』)

 背景の赤がどぎつい。これじゃ本体が目立たない。

 

【温泉】一二三荘。

 

【タイムラプス】8月27日(木)4:48〜7:07の韮山方面の雨空。34秒。

https://twitter.com/aisakajiro/status/1299260099853082631?s=21