いずぃなり

伊豆でのシニアライフ

空蝉や命放ちてなほ逆さ(あ)

【今日の一枚】セミの抜け殻。

f:id:jijiro:20190722085339j:image

庭の姫リンゴの葉にしがみついていた。ニイニイゼミの抜け殻だろうか。それともヒグラシのだろうか。

この時期に聞こえる蝉の声は、ニイニイゼミとヒグラシである。時間的にはヒグラシが先で、やや遅れてニイニイゼミが鳴きに加わるといった順になるか。

朝の4時過ぎ、夜がしらじら明けるころ、遠くからヒグラシの鳴き声が聞こえてくる。カナカナカナカナ……。私はそのころにはすでに起きていて、熱いココアを飲みながらメルマガと、いくつかのニュースサイトのニュースを流し読みしている。

そのうち、ヒグラシに触発されたかのようにニイニイゼミが鳴き出す。チーチーチチチー……。

そこへ今度はホトトギスが加わる。キョッキョ、キョキョキャキョ。昔の人はこの鳴き声を「テッペンカケタカ」と聞きならしたそうだが、私の耳にはどうもそのようには聞こえない。どちらかといったら、やはり「特許許可局」に近い。

ホトトギスが鳴けば次はウグイス。ホーホケキョとこちらは近い。

先週、相談室の先生と話をしていたら、ウグイスの鳴き声の話になった。東京の友だちから電話がかかってきたときにウグイスが鳴いていたのだけれど、そのウグイスの声がやたら近くで聞こえたのか、電話の友だちが「あんた、どういうところに住んでんの? ウグイスの声すごいんだけど」と訝しがられたという。

どんなところって、そういうところよ、文句ある? と言ったかどうかは知らないが、いろんな自然の声に囲まれて暮らす生活は私の憧れでもあった。今それを文句なしに楽しんでいます。

さて今日は参議院選挙投票日。日中から夕方にかけて、防災無線では投票に行くよう繰り返し呼びかけていたけれど、あのしつこさはどうにかならんものかねえ。逆効果だと思うけど。おかげでキジバトののどかな鳴き声がかき消されてしまった。

 

【書】「臭(臭)」シュウ・くさい・におい・におう(No.192)

f:id:jijiro:20190722085308j:image

もとの字は臭に作り、自と犬とを組み合わせた形。自は正面から見た鼻の形。犬は動物の中で臭(におい)をかぎわける嗅覚(きゅうかく)が特に鋭いものであるから、犬の鼻を意味する臭は「におい、におう、においをかぐ」の意味となり、「わるいにおい、くさい」の意味にも用いる。今の常用漢字の字形は、犬を大に変えて臭としているが、臭は大きな自(鼻)の意味となり、「におい」という意味にはならない。もとの字を器・突・類・戾に作る字の場合も、常用漢字では犬を大に変えて器・突・類・戻としているが、伏や就の尤(犬の形)は大に変えていない。常用漢字の字形には、このように字の構造や意味を理解できないように変えてしまっている場合がある。<『常用字解』より>

これまでは甲骨文を「Std(スタンダード)」で、金文を「Wet」でと書き分けていたが、今回は金文の例が『古代文字字典』になかったので、甲骨文を「Wet」で書いてみた。そうしたら、妖怪ウォッチのジバニャンがくにゃくにゃダンスをしているような形になった。

それにしても、字解にもあるように、「犬」のパーツが常用漢字では「大」になってしまったというのはなんとも罪作りな話です。そのせいで、漢字を初めて習う子たちが、成り立ちや意味もわからないまま義務教育を通過することになってしまった。

かく言う私も、成り立ちのわからなくなった常用漢字を、そんなもの書いて覚えろと押し付けた側の人間だが、その反省も込めて、遅ればせながら漢字の面白さを伝えようとこのシリーズを続けている。そのことで、教材研究もままならないほどご多忙の、特に、初めて漢字に接する児童を教える小学校の先生方の一助になれば幸いです。

また、漢字の面白さに気づかないまま大人になった人たちにも、あるいはボケ防止にと漢字パズルを解くご高齢の方にも、漢字の面白さを知っていただければ、これまた幸いです。

 

【温泉】一二三荘。

 

【タイムラプス】7月21日(日)6:28〜9:26の伊豆長岡の空。22秒。

https://www.facebook.com/100001436582002/videos/2414557978602065?s=100001436582002&sfns=mo