いずぃなり

伊豆でのシニアライフ

真つ黒く松陰重き熱帯夜(あ)

よく利用するコンビニのカウンターに、何冊かの漫画単行本が置いてある。
先日、水晶苑の帰りにアイスコーヒーを飲みに立ち寄り、カウンターに腰を下ろして、ある漫画本に手を伸ばした。それが、こうの史代『長い道』だった。
初めて知る漫画家である。一話が3ページと短いが、おっ、これは好みかもと思わせる描き方に釣られてペラペラめくってみた。めくってみたのはアイスコーヒーを飲む間だけで、最後まで読んだわけではないが、なんかいい感じにほんわかと心に残った。
気になったので家に帰って、こうの史代とはどんな漫画家なのかネットに当たってみた。
「2004年、代表作でもある『夕凪の街 桜の国』(双葉社)で第8回文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞、第9回手塚治虫文化賞新生賞を受賞」<wikipedia>したとあり、さらに「2009年、『この世界の片隅に』(双葉社)で第13回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞、同作は2011年日本テレビでドラマ化され、2016年には片渕須直監督によって劇場アニメが公開された」とある<同>。
相当に活躍されている名の知れた漫画家だったんですね。今まで知らずにごめんなさい。
作品群の中に、『ぼおるぺん古事記』という作品を見つけた。この作品は、「古事記上巻の原文をそのまま絵物語にしたコミカライズ。カラーページも含めて、全てボールペンで描かれている」<同>という。
「全てボールペンで」描くとどういうことになるんだろうと俄然興味が湧き、昨日、その本が例のコンビニに置いてあるのを期待して、それを確かめるためだけに出かけて行った。そうしたら、あった、ありました。本棚には他にもこうの史代の漫画が何冊か並べられてあるところからして、ここのコンビニ関係者に熱烈なこうの史代ファンがいると思われる。誰だろう、まさか店長じゃないよね。
またまたアイスコーヒーを頼んでカウンターに座り、本棚から『ぼおるぺん古事記』を抜いてページを繰る。と、驚いた。いきなり『古事記』の冒頭部分が手書き文字でびっしり書かれている。これだけの字を埋めるのにどれほどの時間を費やしたのだろう。ただ黙々と、写経のようにひたすら書き続けたのだろうか。途中で、なんでこんなことをしてるんだろう私、と思ったりしなかっただろうか。
なんかすごいな、こうの史代。益ます興味が湧いてきた。


【写真】庭の松

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今の家を手に入れた6年前は、こんなに大きくなかった。まだ1階屋根を少し越したくらいの丈で可愛らしかった。
それが今はどうだ。我が物顔で枝を右に左に上に伸ばし放題だ。外で呑んで駅からタクシーで帰ったりするときは、「あの松のところで停めてください」と運転手さんに言うものね。すっかり我が家のシンボルツリーになってます。
元気に成長するのはいいのだけれど、枝が前の道路にせり出してくると、今はそれほどでないにしても、そのうち通行の邪魔だと言われるのではないかと心配している。厄介なことにならないうちに下枝をバッサリ切り落としておくか。


【タイムラプス】7月31日(火)5:54〜8:12の伊豆長岡の空。34秒。
 https://www.facebook.com/aisakajiro/videos/10217007916692301/