引越二日目。
この電車に乗ると田京駅には7時59分に着く。墓地の脇に真っ赤な寒緋桜が咲き、小公園の藤棚越しに白い辛夷が枝いっぱいに咲いている。家までの坂をゆっくり上りながら、ああここが私の終焉の地になるんだなと、これまでと違った気持ちで伊豆の春を感じていた。
慌てて窓を開けて外を見ると、トラックは果たして「勉強しまっせ」のそれだった。トラックは玄関に横付けされ、今にも運転手が降りてきそうな展開だったが、運転手は降りてこなかった。降りてこないですぐにまた発車し、道の突き当りを右折して消えた。ん?
なに今の、と思っていたところへ電話が入った。「引越センターの◯◯です、今近くまで来ていますが、湘南からのトラックがまだ到着していないので、そのトラックの大きさを確認してから改めてご連絡いたします」。
なるほど。ということは、さっきの行動は湘南からのトラックがそのまま横付けできるかどうかの下見だったわけだ。それで改めて入った連絡は、「ただ今合流しました。やはりトラックが大きすぎて道に入れないため、荷を積み替えて二便に分けて運びます」だった。
トラックは10時過ぎにやってきた。作業員は二人。家具の置く場所を告げ、各部屋に運んでもらう。タンスを2階に上げる時、階段のコーナーをうまく曲がれるか心配したが、ぎりぎりなんとか2階へ運び上げることができた。
だいたいイメージ通りに家具は置けたが、問題はダンボールの中身をどこに収納するか、である。藤沢でダンボールに詰めたのはもっぱらカミさんなので、どの箱に何が入っているのかちっとも分からない。それにダンボールの数が半端じゃない。とりあえずダンボールの箱は全部1階8畳洋室に積んでおいてくださいと言ったら、窓がダンボールの山で隠れるくらいになってしまった。うっ、25日(土)は横浜の元同僚が伊豆へ泊まりに来る。それまでに寝るスペースを確保しなくては。明日は9時間勤務、明後日は午前に藤沢の銀行でローン繰り上げ返済手続きを済ませ、午後に出勤。ええ〜? 片付ける暇ないよ、困った困った。
25日の午前中に勝負を賭けるしかないな。間に合わなかったらダンボール箱の上に寝てもらおう。どうせ酔っ払って雑魚寝になるんだから、その気になりゃどこだって寝られるでしょう。ダンボールの下敷きになるよりはましだ。(あ)
【写真】8畳洋室に山と積まれた荷物。
こんなにたくさんの荷物を、いったいどこへ仕舞おうというのか。さて、これからが私のマジックの見せどころです。ちちんぷいぷい、見事に消してみせましょう。
【淡彩画】穏やかな磯の海(No.50)
ポイントは「磯浜の特徴である岩は、日影と日向の面を明確に描き分けて立体感を表す」こと。
岩の日影と日向をうまく描けず苦戦。いちばん後ろの岩の日影が薄すぎて立体感がなくなってしまった。重ね塗りしてもう少し濃くすべきだったが、作った色が切れたので今回はこれでご勘弁願います。
【大仁・一二三荘】17:43〜18:24(2→2人)
あやめ湯定休日につき今日は大仁・一二三荘。バイクで12分。4月からは仕事の帰りにここへ寄るのを楽しみにしていたが、まあ、仕事がなくたってその気になればいつでも行けるからいいさ。と、不採用になったことを、まだ未練がましく言う。
【歩数】8,594歩。