いずぃなり

伊豆でのシニアライフ

橋渡る春夕焼けや旅の人

今日のNHKクローズアップ現代」でCCRCを特集していた。CCRCとは国の政策で、地方創生のために、都会の元気な高齢者が移り住む「街」を地方に整備する計画のこと。Continuing Care Retirement Community(継続介護付きリタイアメント・コミュニティ)の略だ。これはアメリカで発達した高齢者居住コミュニティのことを言うらしいが、何だか、高齢者は都会から出て行け、邪魔だから地方で暮らせと言われているみたいで面白くない。誰かが「平成の姥捨山」と言っていたが、まさにそのとおりである。

人は誰だって年をとる。いつかは死ぬ。いつ死ぬかは分からないが、それまでは豊かな老後を過ごしたいと思っている。

ところで「豊かな」とは、何をもって豊かというのか。それは、取りも直さず精神的な安らぎのことを言うのでしょう。借金しない程度の生活費があり、自分で体を動かして身の世話をやり、好きなことをして過ごすこと。これが私の思い描く豊かな老後である。

お金はあるに越したことはないが、三度の食事と温泉と、酒とつまみと偶(たま)の旅行、携帯、本代、薬代、電気、水道、ガス代に、灯油と薪があればいい。至れり尽くせりの介護サービスなんて真っ平御免こうむりたい。人に迷惑をかけるようになったら静かに身を引くべし。

政府がいくらカネを撒いてCCRCを推し進めたとしても、結局、日本社会には根付かないと思う。世のため人のためになると思えば人は働くのです。お年寄り然り。冷暖房完備だから快適な老後ライフが送られますなんて宣伝したって、賢いお年寄りは騙されない。自分のことは自分でするから放っといて、というのが本当のところではないでしょうか。

あやめ湯(17:27〜18:08)3→3人。

写真は、あやめ湯へ行く途中の千歳橋から撮った夕焼け。iPhoneを夕焼けに向けていたら、背後から「すばらしい夕焼けですね」と男の声がした。続けて「アメリカンペイントみたい、すてきだわ」と、こちらは女性の声。

男の人はテンガロンハットを被って映画スターみたいにかっこいい。小林旭宍戸錠? 女の人が言ったアメリカンペイントって初めて耳にする言葉だけれど、そういう言葉をさらりと口にするあたり、専門的に絵画をやってらっしゃる方とお見受けしたがどうだろう。

夕焼けに染まる狩野川の土手を、つかず離れず歩き去る年配のご夫婦。それだけでみごとな一幅の絵になっていました。(あ)

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4,828歩。