いずぃなり

伊豆でのシニアライフ

孝行犬の墓

昼、三島の圓明寺という寺に立ち寄る。通勤に使う路地にある寺だが、境内に入るのが今日が初めて。さほど大きい寺でもないが、孝行犬の墓があるというので、別段、犬に対する執心があるわけでもなかったが、見るだけ見ておこうと思った。
いつも歩く路地は、寺の本堂裏を通っていて、山門をくぐるにはぐるっと迂回して車の走る道に出なければいけない。これまでも立ち寄る機会は何度もあったが、迂回が面倒で素通りしていた。今日は何となく気持ちに余裕があったのだろう。あるいは、三好達治の「ひとりなる  我が身の影を歩まする甃のうへ」という詩のフレーズが、ふと頭をよぎったせいかもしれない。み寺の境内の石だたみを歩いてみたかった。
孝行犬の墓は、黒い御影石に「妙法孝行犬之墓」と彫られてあった。なかなか立派な墓石である。横に骨を加えた犬の石像もある。案内板によると、「万延元年(1860)第37代住職日空上人のとき、この寺にいた親犬と5匹の子犬の話は有名です。病気の母犬を養っている孝行な犬たちの姿を見た日空上人が、動物とはいえ親孝行の手本と感心し、犬たちの死後、墓石を建てそれぞれの名を刻んで母子の情と孝行心をたたえ、世の人々の教えとしました」とある。病気の母犬をどうやって養ったんだろう、食べ物はどうやって与えていたんだろう、5匹の子犬が5匹ともそうだったんだろうか。そんな素朴な疑問が湧いてくるが、食べ物は自ら与えられなかったにしても、日空上人をして感心せしめる子犬たちの献身ぶりだったのでしょう。この話は小学校の教科書にも載っているそうだ。
山門を出た左手に日替りランチの幟をはためかせた店があった。昼食は伊豆長岡に戻ってから摂ろうと思っていたが、午後1時近くでもあったし、「骨董喫茶」という面白い看板と「富士山の湧き水を使ったコーヒー」をサービスしてくれるという文句に釣られて入ることにした。入ると、右手の棚にいかにも古めかしい骨董品がずらり陳列されている。皿や茶碗が主だが、その中に竹久夢二の画集や鳴るかどうか分からない古ぼけたラジオなども置いてある。壁には柱時計が掛けられて、こちらは現役でコチコチ動いていた。老夫婦がほとんど趣味でやっている、そんな感じの店だった。8,344歩。
写真は、今日の日替わりランチ。タラの甘酢あんかけ、ほうれん草の胡麻和え、ジャガイモと玉ねぎの煮付け、白菜の漬物、豆腐の味噌汁。これにコーヒーが付いて800円。結構ボリュームがありました。ハチ公の像にまたがる昔むかし(あ)
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