いずぃなり

伊豆でのシニアライフ

寒桜子ら列なして登校す(あ)

 今日の朝日新聞コラム「天声人語」に、全国の高校3年生に捧げる歌が数首紹介されていた。その中の一首。
 「白マスクの上の静かな目を見れば、なんとかしなきゃ、しなきゃ、と思う」
 この歌を詠んだのは千葉聡さんという方。横浜市立桜丘高校の先生だそうだ。
 コラム子は「この一首が全国の先生方の思いを代弁していよう」と感想を述べるが、私には、「静かな目」に潜む、世の理不尽にじっと耐える高校3年生の姿が思い浮かんだ。
 そうだ。今日は高校の卒業式の日だった。退職してから8年経ったが、8年も経つと3月1日が高校の卒業式だったなんてすっかり忘れていることに気づく。
 私が今の中学校の手伝いをするようになって今年で4年目だから、当時中学3年だった子も、今年は高校を卒業する年まわりになる。その子も今日は卒業式を迎えただろうか。
 その子とは、仕事の帰りによく会う。会えば決まって手を振ってくる。最初に気付くのは向こうで、最寄駅から歩いて家に帰るところで私に気づいて手を振る。そして、それに気づいて今度は私がカブにまたがったまま手を振る。
 たったそれだけのことだけど、嬉しい。私を忘れずにいてくれて、気づいて手を振ってくれる。
 今日は会わなかったけど、そうか、今日は卒業式だったんだね。どんな顔をして卒業式を迎えたんだろう。進路先は決まったんだろうか。ともかく元気でいてくれよ。
 屈託のないあの子の笑顔を思い出しながら、一人の若者の前途に幸あれと祈ったことだった。


【今日の一枚】ヒカンザクラ(緋寒桜)。

f:id:jijiro:20210302072102j:image
 通勤路の急坂を下りきる手前に墓地があり、その脇に緋寒桜が咲いている。緋寒桜は寒緋桜ともいう。
 沖縄では桜というと、この緋寒桜を指すという。緋寒桜と言ったり寒緋桜と言ったり、名称が紛らわしい。また、今頃色づくのに季語は冬とあって、俳句をものすのに悩ましい。


【書】「男山」おとこやま(No.614)

f:id:jijiro:20210302072043j:image
 「険しい男性的な山。一対の山のうち、一方を男性に見立てていう語。」(『大辞泉』)
 「男」は、田と力(りょく)とを組み合わせた形。力は耒(すき)の形。農地(田)と農具の耒とを組み合わせて、耕作のことを示すが、古くは農地の管理者を男といった。→白川静『常用字解』
 「山」は、高い山々が連なっている形。中国の山は火山活動によってではなく、地殻の変動や水の浸食によってできた山が多いので、山が連なっている形に作られている。→同 


【タイムラプス】3月1日(月)6:06〜7:03の伊豆長岡の空。28秒。

https://www.facebook.com/1298610339/posts/10225595242170071/?d=n


【新型コロナ】3/1(月)10:00現在(Yahoo!より)
新規感染者数→999(前週同曜日比 −30)
重傷者数→434(前日比 −6)
累計死亡者数→7,896(前日比 +30)