いずぃなり

伊豆でのシニアライフ

柵越えて右も左も炎暑かな(あ)

 「ここへ来ると、ちっとも体が休まらないわ」とカミさんは言う。アリが這って寝られなかった、せっかく作り置きしていったのに食べずにそのまま冷蔵庫に入れて腐らせた、台所の引き出しにゴキブリの卵があって気持ち悪い掃除してないの? などなど、思いつくままに文句を垂れている。そのくせ、NHK連続テレビ小説「エール」は、見逃してなるものかの勢いでテレビにかぶりつく。

 カミさんは、孫たちに朝食を作ってやり、洗濯機を回し、掃除機をかける。iPhoneを充電しながら、「アップデートの画面がしょっちゅう出るから、なんとかして」と私に丸投げすることを忘れない。「それくらい自分でやれよ」と言うと、「だって、パスワードが判らないんだもの、仕方ないでしょ」とアップデートできない理由を私のせいにする。

 アップデートとはiOSのアップデートのことで、これは、電源に接続されWi-Fiにつながった環境にないといけない。つまり、伊豆の家でなければできない。だから、横須賀にいる間はずっとアップデートを求めるアラートが出続け、それがうざいと言う。

 カミさんは、こと電子機器に関してはまったくの赤ん坊で、こちらでいちいち手助けしてやらないと何もできない。初めてカミさんに、今後はこれを使えとiPhone6を与えた時、使い方を覚えてもらうつもりで特集マニュアル雑誌を一緒に与えたが、読んだ気配がまるでない。あれから数年経ったけど、全て他人任せの姿勢であることは今も変わらない。ほんと、私が先に逝ったらどうすんだろう。「その時はその時よ知ってる人に教わるわ」とでも開き直るだろうか。

 カミさんがいて、カミさんが家事をしてくれる間は、私はもっぱら孫と遊んでいる。お兄ちゃんがゲームに燃えている時は、孫娘と絵を描いたり、トランプをしたり、庭で草むしりしたりする。

 お兄ちゃんのゲームへののめり込みは半端じゃない。ゲームの合間に夏休みの課題をちょこっとやるといった感じだ。

 片や孫娘は、さっさと夏休みの宿題を済ませ、やることがないと私を探す。トイレだというのに、早く出て来いと催促する。

 そのお兄ちゃんは、今日は珍しいことに一緒にトランプをやろうと言い出した。カミさんの「ゲームばかりやって」という苦情に嫌気したというふうに。

 七並べ、ババ抜き、一休さん、ダウト、神経衰弱をやる。思えば、トランプはすごい遊具だ。将棋なら将棋しか、囲碁なら囲碁しかできないが、トランプはそれさえあればいろんなゲームが楽しめる。

 私が子どもの頃よくやったトランプゲームは、「ゴニンカン」だが、青森を離れてからは一度も「ゴニンカン」をしたことがない。というか、大体こっちの人は「ゴニンカン」のことを知らない。どうやら「ゴニンカン」は青森限定のトランプゲームらしい。ああ、無性に「ゴニンカン」をやりたくなった。

 

【今日の一枚】100円ショップの柵。

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 玄関アプローチの石畳脇に三尺あやめが生えていて、季節になると(5月)小ぶりなあやめが花を咲かせる。私が植えたのではない。私の住む前からあった(らしい)。

 三尺あやめは全部で8株あるが、花を咲かせるのはそのうちの1株だけ。姉に言わせると、あやめは亡き母が好きだった花だそうだ。

 先日、ハイビャクシンを剪り落としたことで、庭にちょっとした空間が生まれた。が、背後にアオキやムクゲが迫って日当たりはあまり良くない(写真は西日が差し込む時間帯に撮ったのでやや明るいが)。

 最初は、新たにできた空間を花壇にしたらどうだろうと考えた。でも、日当たりがよくないところに花壇を作っても花が育たないんじゃしょうがない。ここは、下手に手を入れずに、元からあった三尺あやめを残すだけでいいような気がしてきた。

 それで今日、カミさんの車で100円ショップに行ったついでにプラスチックの柵を買ってきた。三尺あやめを石畳脇から30cmほど奥へ引っ込ませ、三尺あやめが踏まれないように柵を打った。打ってみると、おお、なかなかいい感じです。庭にメリハリができました。200円でこれだけの雰囲気が作れるんだから、100円ショップ品も侮れません。

 

【タイムラプス】8月17日(月)4:40〜6:36の伊豆長岡の空。28秒。

https://twitter.com/aisakajiro/status/1295501129548095488?s=21