いずぃなり

伊豆でのシニアライフ

商品券もて買ふ肉や秋の暮(あ)

仕事の帰り、床屋に寄って散髪してもらう。前回散髪したのは夏の呑兵衛旅行に出かける前だから、2ヶ月近く間が空いた。耳元が伸びた髪でモサモサし出した二週間前から行こう行こうと思っていたが、腰を痛めたり雨続きだったりして行けないでいた。
木曜の午後4時じゃ客はいないだろうと思っていたら、駐車場に車が2台駐まっていた。その駐車場後ろの植え込みの脇にバイクを駐めたら、おっ、(植え込みに)きれいな花が咲いてる。去年もこの時期に見たような気がしたが、はて、なんという名の花だっけと写真に撮って「花しらべ」に当たったら、「シコンノボタン(紫紺野牡丹)」と出て登録済みだった。そうだ思い出した。去年は、あの花は何ですかと、バーバーチェアからお母さんに訊いたんだった。

f:id:jijiro:20180928074841j:image
そんなことを思い出していたら、店から1人出てきた。店の中から「ありがとうございました」と言うお母さんの声が聞こえる。ちょうどよかった、お母さんの手が空いた。
出てきた人と入れ替わりに店に入ると、「いらっしゃい」とお母さんの柔らかい声。葉加瀬太郎似の息子さんは、3台あるいちばん奥のバーバーチェアの人の顔にカミソリを当てているところだった。
私の散髪はここずっと息子さんが当たっていて、お母さんに当たってもらうのは久々である。どれだけ久々かは、どうでもいいから調べない。もしかしたら「あれは、ノボタンです」と教えられた一年前以来かもしれない。それくらい久々な気がする。
話は24日の仲秋名月のお月見をしたかしなかったかの話から、「そういえば昨日の26日は狩野川台風があった日でしたね」と、話題がそっちに移った。

狩野川台風から今年でちょうど60年。「当時、私は10歳でした、と言うと歳がバレますね、おほほほほ」とお母さんが言う。
おほほほほという笑いをすぐに引っ込めて、お母さんは、こちらに(嫁に)来てから聞いた話だけどと前置きして、当時の惨事をいろいろ話してくれた。
「助けてえ」と叫びながら小さな女の子が親の目の前から流されて消えたこととか、自ら消防団員のトップとして現場の指揮をとっていた人が、ふと自分の家族の安否が気になって一時帰宅したところ、家もろとも濁流に飲まれて命を落としたこと、などなどを生々しく聞かせてくれた。
忘れたい過去もあろうに、それを風化させまいとあえて語り部となって若い世代に惨事を伝えていくには相当な心の負担があるだろう。そんなことに心を痛めながら、私は一人の語り部としてのお母さんの話に聞き入っていた。


【写真】当選の商品券。

f:id:jijiro:20180928074815j:image
帰宅したら「きにゃんねサービス店会」から商品券が届いていた。
9/6にケーキを買った店でレシートの裏に住所と名前を書くように言われ、何だろうと訊くと、大仁商店街で使える商品券が抽選で当たるかもしれないと言う。ならばと書いて渡したが、まさか当選するとは思わなかった。そんなことなどすっかり忘れていた。これは嬉しいぞ。
早速、商品券で、同じ加盟店の「ひらい精肉店」で2000円分の肉を買う。木曜は「肉味噌」の販売曜日で、それ狙いで行ったが、行った時間が午後6時だったせいか、すでにケースには残っていなかった。売り切れか、あるいは調達の都合でまだ販売が再開されていなかったのかもしれない。ここの「肉味噌」は人気で、私が買えたのはこれまでにたったの一度しかない。
それでいつものベーコン(ここのベーコンを食ったらスーパーのベーコンは食えない)とミックスメンチと焼き鳥肉を、商品券が当たったのに気をよくして、いつもより少し多めに買った。


【温泉】一二三荘。


【タイムラプス】9月27日(木)5:28〜7:32の韮山方面の雨空。30秒。

https://www.facebook.com/aisakajiro/videos/10217505727137251/