いずぃなり

伊豆でのシニアライフ

吐く息の白き富士の嶺なお白し

昨日のニュースで青森に初雪が降ったことを知った。観測史上最も遅い初雪だという。

「青森」と聞くと、いついかなるときも注意がそっちに引っ張られる。心がじゃわめく。今は藤沢と伊豆を行ったり来たりする身ではあってもそれは変わらない。青森は生まれてから18歳の終わりまで暮らした紛れもない私の故郷なのである。

「ふるさとは遠きにありて思ふもの そして悲しくうたふもの」。これは人口に膾炙された室生犀星の詩だが、私にとっての青森はこの詩の趣とは異なり、身は遠くにあっても「悲しくうたふもの」ではない。帰れば私を喜んでくれ、酒を酌み交わす仲間がいる。青春時代の思い出話を津軽弁で話していると、えも言われぬ居心地のよさを感じる。ああ故郷っていいなあ、故郷が青森でよかったなあとしみじみ思う。

青森には語り尽くせない思い出が山ほどある。ところが初雪の思い出がまるでない。バスの後部バンパーに掴まって竹スケートをしたとか、雪道を裸足で初詣したとか、雪合戦の雪玉に石を入れたとか、かまくらが潰れて死にかけたとかなら立ちどころに思い出せるのに、初雪の降る頃の記憶がない。

初雪への思いは雪国に暮らす人からすれば、よくドラマで表現されるようなロマンチックなイメージはほとんどない。むしろこれから長い冬を迎えることへの憂鬱が勝る。雪国に暮らす人にとって初雪は、日常生活に直結した諦めを覚悟させる天からの便りなのである。

今年は記録的な暖冬になるという予報で、各地のスキー場もだいぶ気をもんでいる由。果たして予報通りの暖冬になるか、それともまとまった雪がどかっと来るか。日常生活に支障なく、スキーも楽しめるくらいにほどほどに降ってくれるといいのだか、なかなかそう都合よくはいきませんよね。

5,961歩。

写真は、第10回湘南国際マラソン大会を知らせる看板。自宅マンションそばの国道1号線に立てかけられてあった。確か呑兵衛ランナーごいさんが走るとか言ってたな。これまで11月開催だったのに今年から12月になったんだとかも言ってた。島田だ、金沢だ、筑波だと今年は絶好調で走りまくっている様子。それに今回の湘南だ。まったく休むってことを知らない。富士山もだいぶ下の方まで白くなって、当日は湘南の海岸からもさぞかし美しく見えることでしょう。自己ベストをどんどん塗り替えているごいさん、今回も密かに記録更新を狙っているんだろうな。(あ)

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