いずぃなり

伊豆でのシニアライフ

石積みや雨しとやかに秋の色(あ)

【写真】雨に濡れる石積み。

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這い伸びたつる草が色づいて秋らしい。
数年前まで、ここに竹を組んで門扉を作り、門柱に「注意! 孫の飛び出し」と書いた漁網の浮きをぶら下げていた。孫が小さい頃、たびたび玄関アプローチの石段から前の道路に飛び出したりしたからだが、孫に分別がついた頃からそれらを全部撤去してしまった。
この石積みだけを見ると、どこか山里での隠遁生活を思わせる趣があって悪くない。
思えば、ずっとこういう隠遁めいた生活に憧れていた。畑を耕し、食するものは自給自足でまかない、時に海や川で釣った魚を焼いて晩酌の一皿とする。水割りには湧き水を使い、労働の疲れは温泉でほぐす……。
不動産情報誌で今の家が売りに出ているのをたまたま知り、なんかピンと来るものがあって即決で購入した。もちろん下見をしてのことだが、そのとき案内してくれた地元の不動産の人が、築年数もだいぶ経っているし、あちこち傷みもあるからよく考えてから判断した方がいいですよとアドバイスしてくれたにもかかわらず、そのときの私の腹はすでに決まっていた。いわゆる衝動買いである。カミさんには事後報告だった。資金には退職金を充てた。
いちばんの決め手となったのは、最寄駅から徒歩15分という距離ながら自然が豊かだということ。車を運転しない私には持って来いだった。

それだけで十分だったが、おまけにドクターヘリを持つ大学病院が近くにあり、温泉がそちこちにあるということも購入の後押しをした。
家屋の築年数やそれ相応の傷みは全く気にならなかった。ここよりも前に、東北のいくつかの物件を下見し、そのときに見た傷み具合に比べたらまるで平気なように思えた。
また、リフォーム業者に補修を頼むことは全く考えなかった。それに回す予算もなかったし、自前でコツコツ補修する方が楽しいような気がした。このブログを始めた頃は、ほとんどがその補修作業の様子を記したものである。
とは言っても、この家は外から見てもリフォーム業者の目には格好のターゲットに見えるようで、業者から声をかけられることもしばしばだった。そのうちの一つの業者に、屋根のペンキ塗りをさせてくれないかと頼まれ、ついでにここから富士山が見えるようにデッキを作りたいのだがと2階に案内したら、よしきたと引き受けてくれた。できれば花火を見ながら宴会ができる広さがいいと注文を加えたら、それもよしきたと引き受けて今のデッキが出来上がった。その業者とはその後も付き合いがあって、階段天井に雨漏りが見つかったときも、こちらから連絡を取って瓦屋根の隙間をパテで全部埋めてもらったりした。
デッキと屋根瓦以外の補修は、庭の小屋も含めて全て自前である。まだまだいろいろと補修(破壊?)すべき箇所は残っているけれど、それらもこれから楽しみながらポツポツやっつけていこうと思っている。


【タイムラプス】9月21日(金)5:28〜7:24の伊豆長岡の空。29秒。

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