いずぃなり

伊豆でのシニアライフ

ある限りあらん蜂の子うごめけり(あ)

【写真】蜂の子。

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1校時の畑作りを終えて、さて教室に戻ろうかと道具を片付けていると、「先生、蜂の巣があったよ」とある子が報告してきた。担任の先生が駆け寄って見ると、それは出来立てほやほやの小さなアシナガバチの巣だった。
見つけた子は、テニスコートのフェンスにあったと言うが、私は作業片付けの最後尾にいたので、巣のあった場所を確認していない。
担任の手で運ばれたアシナガバチの巣はいつの間にか解体され、私が手を洗って教室に入ったときは、巣の中の幼虫は丸裸にされて紙箱でうごめいていた。その数6匹。
そのうちの1匹を箱からつまんだ子は無類の虫好きの子で、かわいくてしょうがないというふうにして幼虫を私に見せる。その子は、畑にミミズを見つけただけで作業の手を休めてじっとミミズに見入ったり、ダンゴムシがいれば手のひらにコロコロ転がして遊んでしまうくらい虫好きである。
一方で、大の虫嫌いの子もいて、虫好きの子がこの幼虫を手にのせて近づくだけで跳びはねて逃げ回ったりし、今日の休み時間はなかなかに賑やかだった。
そんな昼休み、「先生、この虫に脳みそはあるの?」と、虫好きの子がいきなり私に訊いてきた。あまりに唐突な質問にどう答えていいか判らなかったが、「あるよ」とひとまず言っておいて考えた。はて、蜂の幼虫に脳みそなんてあるんだろうか。
生きている虫が何かの動きを見せるとき、その動きは一体どこから発せられるのだろうか。箱の中でうごめくのは、そこから出たいと「思って」そうしているのだろうか。「思って」いるのだとしたらどこで思っているのだろう。やはり虫にも脳みそはあるんだろうか。
気になったので家に帰ってからネットに当たってみた。すると、あるサイトにこんな記事があった。「なぜ虫はあんなに小さい脳で複雑な行動ができるのか?」<https://gigazine.net/news/20170131-insect-tiny-brain/
ここではアシナガバチの幼虫には触れていないが、ミツバチの一種であるマルハナバチや、トンボ、毛虫、ショウジョウバエの例があり、昆虫にも脳があるという前提で説明がなされている。
そう考えると、虫好きの子が抱いた「虫に脳みそはあるの?」という疑問は、極めて素朴でありながら、極めて本質をついているものとも言える。
考えてもみなかったことを改めて考えさせられるという点で、今のクラスの子たちから逆に私が学ぶことも多い毎日である。


【温泉】一二三荘。


【タイムラプス】5月29日(火)5:13〜7:22の伊豆長岡の空。32秒。

https://www.facebook.com/aisakajiro/videos/10216476872456527/