いずぃなり

伊豆でのシニアライフ

踊り子の炎暑の富士を窓に置く

写真は、特急踊り子号から撮った今日の富士山。特に踊り子号に乗ろうと思って家を出たわけではなかったが、伊豆長岡駅に着いたらたまたま踊り子号が来る時間だったので乗った。

進行方向左側の座席は炎暑の日差しがシートの半分に差し込んでいたが、空席は左側にしかなかったのでやむなくそっちへ座った。そうしたら発車して間もなく車窓に富士山が映し出された。三島に通っていたときに飽かず眺めた風景である。

北に向かって走るいずっぱこは、大場を過ぎ伊豆仁田の手前で富士山が一旦車窓から消える。再び姿を見せるのは三島駅へ向かって右へ大きくカーブする数秒である。富士山が駅ビルに隠れるあたりで踊り子号はいずっぱこの線路からJRの線路へ乗り移るのだが、JRのホームに斜めから突っ込んでいく感覚が何か新鮮に思えた。

特急料金は三島から小田原まで650円。伊豆長岡から三島までは普通乗車券で乗れるから、何だか得した気分になる。踊り子号は藤沢に停まらないから小田原で乗り換えなければいけないのだが、それでも同じホームの反対側に始発の宇都宮行きが待っているので三島と熱海で二度乗り換えるよりは断然楽だ。

宇都宮行きに乗ったら、車両の至るところに又吉直樹の顔が貼られてあった。「芥川賞 火花 120万部突破」の字が躍る。ちょっと騒ぎすぎの気がしないでもない。同時受賞のもう一人の羽田圭介との扱いの差は歴然。お笑い芸人が芥川賞を受賞したことがそんなに珍しいか。お笑い芸人ってそんなに特別な職業なのか? 

確かに今年1月7日に発売された「文學界」2月

号はその日のうちに売り切れになるほどの話題にはなった。それで私は図書館へ走って読んだのだけど、あのときもなぜ売り切れになるのかピンと来なかった。内容は、まさに当の本人でなくては書けないお笑いの世界の舞台裏を描いていて、読んで面白かったけれど、騒ぐほどの内容かと言われれば村上龍の衝撃的デビューに比して遥かに及ばない気がした。二作目が大変だろうなとも思った。

それで、又吉直樹の場合、お笑い芸人だから騒ぐんですよね。作品の内容はともかく。周りが勝手にお笑い芸人と芥川賞という釣り合いの意外性を面白がってるだけのような気がするんですけど。11,364歩。

(あ)

f:id:jijiro:20150806031809j:plain