いずぃなり

伊豆でのシニアライフ

慈雨来よと青き葡萄の生まれたて(あ)

 庭の草むしりはあらかた終了した。と思ったら、どっこい、枇杷(びわ)の下の草藪が残っていた。いつぞやウシガエルがのそっと顔を出した箇所である。

 ここは剪定した枝を積み上げてきた場所で、枝と枝の闇間に得体(えた)の知れない魑魅魍魎(ちみもうりょう)が潜んでいそうで、できれば放っておきたいというのが本音だ。

 ここをスッキリさせれば庭も多少は広くなるのは判っているのだが、どうにも手を付ける気になれない。思い切ってやるか、いややめとくべえと踏ん切りがつかないまま、そのままにしてある。でも、このコロナ禍で勤務も週一日となれば、いずれやらざるを得ないだろうな。

 私は、毎週日曜に配信されるメルマガ『JOG-Mag』(伊勢雅臣)を愛読している。今確認したら、初読はNo.448(2006/06/04)になっている。今から14年前って、そんな昔から読んでたのか。

 今日の配信はNo.1163で、建築家「隈研吾」について述べている。ご存知、昨年末竣成した新国立競技場の設計者である。

 隈氏は「和の大家」とも称されるように(Wikipedia)、日本の木材をふんだんに使った建築デザインが特徴で、新国立競技場もその例外ではない。「軒庇の木は47都道府県すべての物を使いました。同じ杉でも青森と秋田では色が違います。見上げると微妙な色の違いがわかるように産地ごとにまとめて使いました」とのこと。そこまで拘(こだわ)った新国立競技場ってどんなんだろう。ぜひ見てみたい。

 私が共鳴したのは、この木への拘り。思えば私は、ずっと木造の家に憧れを抱いてきた。今の家を衝動買いのようにして手に入れ、伊豆を終の住処にしたのも、木への拘りの辿(たど)るべくして辿り着いた終着だった。

 耐震や耐火のことを考えれば鉄筋コンクリートの建物が優位には違いない。それで、私も24年ほど藤沢でマンション暮らしをした。しかし、マンションで暮らしながら、心は常に木の家のことを思っていた。木の家に住みたい。木の家で暮らしたい。

 今はその願いが叶って、木の家で薪をくべて、ちょっとした野菜を作って、温泉に浸かって、旨し酒を呑んで、絵を描いて、碁を打って、悠々自適のカントリーライフを満喫している。

 カミさんはそういうライフスタイルにまるで興味を示さず、先立つものはお金よと嘯(うそぶ)きながら横須賀の実家を未だ出ようとしない。にぎやかなアーバンの華やかさを好み、ウグイスの鳴き声で目覚めるような生活を好まない。

 まあそれもよかろうと私は理解を示すふりをするが、実際のところは、お互い好きなことをすればいいのさと開き直っている。

 たまにカミさんが伊豆に来て、あれそれこれとやり出した途端、私は決まって不機嫌になる。不機嫌になると口を開くのも嫌になるから、それでカミさんもいよいよ不機嫌になる。二人して不機嫌になるから空気がどよんと濁る。かくして会話のない末期症状の夫婦になるのである。

 

【今日の一枚】白葡萄(ナイアガラ)の花穂。

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 まだ花穂だけど、数えたら6房あった。去年は1房だけだったので大躍進。花はこれから咲くようだけど、どんな花が咲くのかな。去年は花を見逃したので、今年は観察を怠らないようにしよう。

別の箇所に植えたデラウェアは、葉が出てこない、と思っていたら根本が腐っていました。手折ったら抵抗なく千切れた。ご臨終です。

 孫娘は藤の花を所望しているので、デラウェアの替わりに藤を植えてみましょうか。

 

【絵日記】久米宏(No.135)

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 肌の塗りがまだらです。もっと丁寧に描かないといけません。ここまで描くのに約1時間40分。メガネの人は少しばかり時間がかかる。

 

【タイムラプス】5月3日(日)6:10〜8:01の伊豆長岡の空。27秒。

https://www.facebook.com/aisakajiro/videos/10222825951019523/?d=n