いずぃなり

伊豆でのシニアライフ

あと二年待てば実るや柿落葉(あ)

合唱コンクール。
午前は1年生と2年生の合唱、それと休憩を挟んで、地元在住のピアニスト・海瀬京子さんの演奏と音楽奮闘話を聴く。
2年生の合唱は全4クラスの音楽の授業に出て一緒に歌ったりもしたので、ただ聴くだけの去年とは違った思い入れがあった。「時の旅人」「はじまり」「茜色の約束」「虹」の順で合唱を競うが、どのクラスも甲乙つけがたい仕上がりで、よくぞここまで声を作ってきたなあと感心することしきりである。
特に3番目の「茜色の約束」は、先週まで棒立ちだった姿勢が、音楽の先生の「キモい」の一言でガラッとポップ調に変わり、本番では指揮者の手さばきに合わせて上体が揺れ動き、歌い進むに連れてどんどんリズムに乗って、最後は歌うのが楽しくて仕方がないといったふうになっていった。そこが審査員に買われたのだろう、2年の金賞はこのクラスに輝いた。
海瀬京子さんは、韮山のご出身ということで、校長先生をはじめ3人の先生が教えたことがあると言っていた。大学院修了後はベルリンに留学してさらに演奏に磨きをかけ、現在は母校の大学で後輩を育成しているとのこと。市の文化施設でもコンサートを行なったりしてお名前だけは存じ上げていたが、ご本人にお会いするのは今日が初めてだった。
いろいろと興味深いお話を聴く中で、ベルリンの音楽学校の先生から「あなたのピアノには色がない」と言われたというエピソードが印象に残った。感覚的な謂だけど、何か判る気がした。それを私の描く絵に置き換えてみると、まさに私の絵には「色がない」ことが見て取れる。それを指摘されたような気がした。
午前の部を終えての昼休み。この昼休みの過ごし方が、1、2年と3年ではまるで違う。1、2年はすでに歌い終わっているから、やるべきことはやったぞ後は結果を待つのみだの晴れやかな気分だが、3年は昼休みを目一杯使ってぎりぎりまで最後の調整にかかる。4クラスが中庭に出てのつばぜり合い。そこからもう競い合いが始まっていた。
そして午後の部。さすがは3年生と思える歌声が体育館に響く。どのクラスも聴かせる合唱に仕上がっている。金賞がどのクラスに輝くか、私には全く判らなかった。が、心では私が一緒に音楽の授業に出た「友〜旅立ちの日に〜」を応援していた。見ると、担任が空のクラス席の端に座って、目頭をぬぐっているのが見える。担任もこれまでの頑張りを溢れるほど評価していたんだ。
もうこうなったら賞なんてどうでもいいね。担任の先生は、きっとステージで歌っているクラスの一人ひとりに心からの金賞をあげていたんじゃないかな。
閉会式には全校で保護者席を向いて「カンターレ」を歌う。私は歌わなかった。私は職員席にいて、両隣の先生が歌う気配がなかったから。でも、いいんだ。去年にも増して感動を噛みしめることができたから。


【写真】柿落葉。

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先週の台風で、柿の葉が青いまま散った。それが、小屋の前に敷いた川砂利の上に散らかったままになっている。
下がコンクリートや固い土なら熊手で掻き集められるが、川砂利だとそうもいかない。川砂利を敷いたときはそんな落ち葉のことなんか考えなかったけど、これから落ち葉のシーズンを迎えるとなると、少しは処理対策を考えないといけませんな。


【タイムラプス】10月5日(金)5:13〜7:32の伊豆長岡の空。34秒。

https://www.facebook.com/aisakajiro/videos/10217568317261965/