いずぃなり

伊豆でのシニアライフ

老い病背負ひ猛暑に飛び込めり(あ)

【写真】小田原駅近くの蕎麦屋。

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先月中頃、平塚の定時制時代の同僚から電話があり、久々に呑もうという話になった。その人と呑むときは、たいてい共通の知り合いの人と3人して茅ヶ崎で呑むことが多かった。その人も知り合いの人も茅ヶ崎に住んでいたから。呑もうと声がかかると、はい喜んでと、伊豆から駆けつけた。
が、今回は、共通の知り合いの人ではなく、定時制時代に4年間一緒に担任を組んだ人と、定時制では一緒ではなかったが、秦野で非常勤講師をしていたときに一緒だった人の2人が加わり、4人で呑むことになった。
4人に共通するのは、同じ平塚の定時制に勤めたことがあるということ。そのうちの一人は私が定時制を出た後に入れ違いで入って来た人だが、私は定時制一筋のスキー仲間から聞いてその名前だけは知っていた。それが秦野で一緒になるんだから、人の巡り合わせというのはどこでどうつながるか判りませんね。
その人が小田原に住んでいるというので、今回は小田原で呑むことになった。私も伊豆から出て来やすいからと、声をかけてくれた人が配慮してくれたのだろう。
呑もうと声をかけてくれた人は今年古希を迎えたが、バリバリのテニスプレーヤーであり、スポーツジムで体を鍛える人であり、どこにでもロードバイクで出かける鉄人である。いや、だった人である。
その人は、去年から化学療法をする身となり、今も定期的に東京の大学病院に通っているという。昔ほどたくさんは呑めないけれど、軽くなら平気なので呑もうと私を誘った。
午前11時半に小田原駅で待ち合わせる。軽く呑むなら昼の蕎麦屋に限るということで、小田原駅近くの「寿庵」に入る。ネットの案内によると、創業は小田原駅開業と同じ大正9年というから、かなりの老舗である。店構えも昔の面影が残って渋い。
ちょうど昼時と重なり、店にはだいぶの客がいた。が、タイミングよく4人がけのテーブルが一つ空いていたので、そこへ腰を下ろし、まずは乾杯。

つまみに天せいろを注文。1,510円。天せいろが出て来るまでだいぶ待たされるだろうから、その間にちょっとしたつまみでもと思ってメニューを見ていたら、あっという間に天せいろが出て来た。他の人が頼んだ冷やしたぬきそばも、薬膳そばも間髪を入れず次々出て来た。
出て来るのが早いからといって手を抜いているふうでもなく、天ぷらはカラッと揚がって申し分ない旨さ。もちろん本体の蕎麦も。よほど調理の手際がいいのだろう。

ややあって一人の女性客が店に入ってきた。ためらわず相席のテーブルに就いたところから推して、常連さんと見える。なるほど、女性一人で入れる雰囲気の蕎麦屋なんだな。うん、我ながらいい蕎麦屋を見つけたものだ。女性が一人で入れる店にハズレはないものな。
蕎麦屋を出て、駅地下街でコーヒーを飲む。65以上の老人が揃えば、話題は自ずと病気のことになる。しばし語らい別れるときも、いつかまた元気に会えるといいねと締めくくる。その裏には次会うときは呑む元気なんてないかもの謂が含まれている。元気で会えることが、今やいちばんの願いであるような年齢になったことをしみじみ思いながら、「危険な暑さ」の地上に出る4人だった。


【タイムラプス】8月2日(木)5:12〜7:24の伊豆長岡の空。32秒。

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