いずぃなり

伊豆でのシニアライフ

あやめ湯の客

今月10日から昨日20日まで改装工事で臨時休業していたあやめ湯に行ってきた。午後7時を過ぎればがらがらに空いていると見当をつけて行ったのだが、意に反して、風呂場は結構混んでいた。5つある洗い場が全て塞がっていて、なおかつ湯船に二人沈んでいる。こんなに混んでいるあやめ湯は初めてだ。

 湯船に浸かりながら洗い場が空くのを待つことにする。天井やら壁やらぐるり見回したが、10日間かけてどこを直したんだろうと思われるくらい、ほとんど以前と変わらぬ装いだった。女湯の方からは、威勢の良い、活気みなぎる小母さんたちの声が筒抜けに聞こえてくる。男湯はさほどでもないが、7時を過ぎるこの時間は、女湯の混み合う時間らしい。やはり、あやめ湯の風呂は温まるねえ、家の風呂だと体がすぐ冷えちまう、病院の先生も言ってたよ、あやめ湯のお風呂は体にいいって、なんて言っている。全く同感。
 7時半を過ぎて、あれだけ混んでいた風呂場が、あっという間に私ともう一人の二人だけになった。体を洗い終えて湯船に入ろうとすると、同じく体を洗い終えたもう一人の人が、少し話してもいいですかと声をかけてきた。湯船に体を滑らせて、いいですよと答える。するとその人は単刀直入に、アオリイカ釣れませんでしたと切り出した。初めての人に、いきなり何を言いだすんだと思ったが、面白そうだし、釣りの話とあれば俄然興味が湧くところ。で、しばらく話に付き合うことにした。

昨日もアオリイカを狙ったがダメで、今日もダメ。お住まいは東京の足立だという。どこかの旅館に宿泊しているのだったら、わざわざあやめ湯に入りに来ることもない。そのことを聞いたら、釣り場の有料駐車場に車を停めて、その中で寝泊まりしている、近くにコンビニがあって、お腹が空いたらそこでおにぎりなどを買って食べるとのこと。その後、鮎釣りの話、イワナ釣りの話、南会津の別荘暮らしの話、その別荘で新蕎麦を二度食べる話などなど話は尽きず、気がついたら8時を過ぎていた。明日もアオリイカにチャレンジするそうで、なんとか一杯でも釣り上げて欲しいと祈ったことだった。8,832歩。

写真は、アプローチに散った落ち葉。土曜、日曜と留守にしただけでこんな具合になってしまった。まるで山深い奥の、いったい誰が住んでいるんだろうといった風情。ああ、落ち葉を掃く時間もない。秋深き隣は何もしない人(あ)
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