いずぃなり

伊豆でのシニアライフ

台風の影響なし

今回の台風18号は大型で強い勢力を保ち、速度を緩めずそのまま伊豆半島に突進してくる気配だった。だから、正直かなり身構えた。何せ築40年近くになる家はどこもかしこもボロボロだし、建て替えの時期もとうに過ぎている。それをだましだまし使って住んでいる状態だから、少し強めの台風がやってきたら、持ちこたえられないのではないかという懸念はずっと持っていた。だいたい増築箇所の柱が、積年の雨漏りによってドロドロに朽ち果てていたのを見たときの驚きといったらなかった。こんな状態でよくぞ今まで建っていたというくらい酷かった。まさに首の皮一枚だけ繋がっている感じ。全ての修繕はそこから始まった。あの光景を見てからは、モルタルの壁にハンマーで穴をあけるのさえ少しのためらいもなかった。結局、朽ち果てた柱は真ん中をすっぱり切り落とし、隣の元気そうな柱を添え当てるという応急措置をしただけで、今もそのままにしてある。いわば、骨折した部分に副木をあてがっているだけと言ったらいいだろうか。そんな具合だから、まともに暴風雨を食らったらきっと無事では済まないだろうことは、現実問題として常に意識にあった。
だから今回のように、でかいぞ、つよいぞ、伊豆直撃だぞと脅されると、ついに来るべき時が来たかと身構えざるを得ない。これまで何度も台風の襲来を受けているが、幸いなことに身辺に一度も被害を受けたことがない。しかし、今回は違う。初めて被害をこうむる可能性は十分にあった。テレビでは瞬間最大風速60m/s以上と言っている。それってどういう世界なんだ? そんなのをまともに受けたらひとたまりもない。果たして持ちこたえられるか、何とか持ちこたえてくれと祈る思いで、窓に打ち付ける横殴りの雨を見つめる。5時、6時、7時。何も手につかない。7時のニュースのときに、伊豆市全域に土砂災害警戒情報が発令され、避難勧告が出されたという緊急速報のテロップが流れた。伊豆の国市は? この時点では避難勧告は出されていない。防災無線で「土砂災害の発生する危険が高まっています。いつでも避難できるように準備をしてください」と呼びかけるのみ。しかも窓を開けないと聞き取りにくい。同じ狩野川流域の隣の市同士なのに対策に温度差がある。8時過ぎ、台風は浜松市付近に上陸したと速報が流れた。9時過ぎ、狩野川の大仁観測所で氾濫水位に達したことをラジオFMいずのくにで知る。それを境に雨風がはたりと止んだ。空を見ると、富士山の西側に青空が顔を覗かせている。雨は昨日からだいぶ降ったものの、風は覚悟をしたほどの強さにはならず、こう言っては何だが、なんだか拍子抜けしてしまった。まあ、ともかく伊豆のぼろ家は無事に台風をやり過ごすことができて、よかった、よかった。2,285歩。
写真は、台風一過の富士と、荒れ狂う狩野川の濁流。午後1時頃、三島の職場へ行く途中に撮った。午前9時過ぎに防災無線で、狩野川が氾濫危険水位に達したと報じられ、狩野川流域の住民に避難勧告が出されていた。濁流のいずこぞ鮎の避難場所(あ)
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