今週末、孫が遊びに来ると待ち構えていたが来なかった。初めから来ないと分かっていたらそれなりの時間の過ごし方もあったのだが、来るか来ないか分からないのでは外出も儘ならない。というわけで、今日は家でごろごろ読書三昧。
今年の夏は、『しろばんば』から始まって、『あすなろ物語』『わが母の記』『夏草冬濤』『北の海』と井上靖の作品を読み繋いだ。『しろばんば』あたりは、小学生の時に読んでおくべき作品なのだろうが、小学生の頃の私は、正に洪作少年のように青森の海、山、川で遊んでばかりいて、読書の習慣はほとんどなかった。だから、著名な『しろばんば』を読んだのは今回が初めて。『天平の甍』は高校の夏休みの宿題に出たので読んだことは読んだが、それを機に、そこから井上靖の他の作品も読んでみようという方向へは行かなかった。今になって井上靖をまとめて読もうという気になったのは、伊豆の生活が大きく影響している。もし伊豆と縁がなかったら、井上靖の作品に手を伸ばすことはなかったかもしれない。読んでみて、面白かった。この歳になって読んでも面白い。名作は年齢を超えて人の心を動かす。だけど、『しろばんば』は、やはり小学生の時に読んでおきたかった。赤とんぼ負われた孫の指の先(あ)
