いずぃなり

伊豆でのシニアライフ

ほら富士と教へし子らや桜草(あ)

【写真】サクラソウと富士山。

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3校時、体育の授業でグランドに出た。子どもが言う。「先生、今日の富士山、きれいだね」。
そう、今日もきれいだ。地元の子どもたちにとっては見慣れた富士山だけれど、毎日見ても見飽きないのは私も同じだ。
プランターのサクラソウも、心なしか誇らかに咲いているようだ。富士には桜草もよく似合います。


【書】「龜(亀)」(No.5)

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墨の濃さは「Deep」、にじみ度合いは「Std(スタンダード)」、テンプレートは「Gift」。
「龜」は「亀」の旧字体で、昨日書いた「龍」の字を参照した『五體字類』の次のページに載っていたので、よし、次はこの字を書こうと思っていた。ちなみに『五體字類』には新字体の「亀」は載っていない。
青森の日本酒銘柄に「亀吉」というのがあって、飲みやすいと若者にもなかなか人気らしい。「亀吉」とは人の名から採ったと思われ、ネットに当たったら、果たして蔵元は「中村亀吉」と言い、黒石市に所在し、大正2年創業と出た。
大正2年だったら「亀吉」ではなく「龜吉」と書いたのではないかと思い、さらにネットで調べてみた。旧字体の「龜」の方が日本酒の銘柄としては重みがあって座りがいい気がしたからでもあるが、そうしたら、こんなことが判った。<https://dictionary.sanseido-publ.co.jp/column/%E7%AC%AC136%E5%9B%9E-%E3%80%8C%E4%BA%80%E3%80%8D%E3%81%A8%E3%80%8C%E9%BE%9C%E3%80%8D
①昭和15年、国語協会は『標準名づけ読本』を発表し、子供の名づけに用いる漢字を500字に制限しようとした。その中に「龜」は含まれていた。
②昭和17年、国語審議会は標準漢字表を文部大臣に答申した。2,528字が収録された標準漢字表の中にカッコ書きで「亀(龜)」と添えられた。つまり、簡易字体「亀」は、旧字体の「龜」に代えて一般に使用すべき漢字、ということになっていた。
③昭和21年、国語審議会は当用漢字表1,850字を文部大臣に答申した。しかし、そこには「亀」も「龜」も収録されなかった。
④昭和23年、戸籍法が改正され、「亀」も「龜」も子供の名づけに使えなくなってしまった。
⑤昭和26年、国語審議会は、人名漢字に関する建議を発表し、新字の「亀」が子供の名づけに使えるようになった。
⑥昭和36年、当時の栃木県今市市の戸籍事務担当者が旧字の「龜」を名に含む出生届を受理してよいか宇都宮地方法務局長に照会したところ、受理してさしつかえないが、なるべく新字の「亀」で出生届を提出させるよう指導してほしい、との回答だった。
⑦昭和56年、民事行政審議会答申は、これを覆し、新字の「亀」だけを認め、旧字の「龜」は使うべきでないとした。それで「亀」だけが人名用漢字となり、「龜」は子供の名づけに使えなくなった。
⑧平成23年、法務省は入国管理局正字を告示した。入国管理局正字とは、日本に住む外国人が住民票や在留カード等の氏名に使える漢字のことで、13,287字収録されている。そしてそこに、新字の「亀」と旧字の「龜」の両方が含まれていた。その結果、日本で生まれた外国人の子供の出生届には「亀」も「龜」も使えるが、日本人の子供の出生届には「亀」はいいけど「龜」はダメ、となった。
いやあ、この「亀」「龜」の変遷にはびっくりです。旧字の「龜」は日本人の子供には使えないけど、外国人の子供には使えるなんて知りませんでした。


【温泉】一二三荘。


【タイムラプス】1月9日(水)6:34〜7:33の伊豆長岡の空

https://www.facebook.com/aisakajiro/videos/10218350473855391?sfns=st