いずぃなり

伊豆でのシニアライフ

寒風や駅水飲み場水弾く(あ)

午前中、昨日かき混ぜておいたマーマレードの刻み具を弱火でグツグツ煮る。煮ながらiPadでデータの引越しをやる。
焦がしちゃいけないと、10分刻みでiPadと鍋を行ったり来たり。データの引越し作業を10分やって鍋を見に立ち、鍋の煮具合を確かめてからまたデータの引越しに戻る。これを繰り返すこと9回。つまり1時間半ずっと煮込んでいた。データの引越しも、今日で新潮文庫や角川文庫といった大物を移し終えた。文庫本1冊(平均40MBの容量)のダウンロードに10秒もかからない。えっ? もう終わったの? というくらい速い。ページ数の少ないのなんて、ボタンをタッチした途端に終わるといった按配。

その処理の速さには目を見張るものがある。インターネット幕開けの頃の、画像一つダウンロードするにもコーヒー一杯飲み終えるほどのちんたらぶりに比べると隔世の感があります。
昼、下のコンビニで西浦みかんを青森の実兄に送る。実兄とは八つ年が離れている。同病相憐む兄弟だが、長年遠く離れて暮らしていると、今どんな暮らしをしているのか皆目判らない。つい先日、風の便りにあまりよろしくない様子だと聞いたが、青森で今も先祖代々の墓を守ってくれる実兄には、こうしてみかんを送ってやるくらいしか私にはできない。
そこで、はたと思った。もしも、もしもですよ、実兄に万が一のことがあったら、これまでしてきた兄の役目を次男の私がごっそり引き継ぐことになるのかい? それとも兄の長男坊がそれを担うのか? う〜ん、こいつはゆゆしき問題だぞ。
のほほんと構えていたが、なるほど嫡男というのは、生まれながらにして家の血を継ぐ宿命を負うていて、それがどれほどの重さであるかにまるで思いが至らなかった。次男の気楽さで気づかなかった。迂闊といえば迂闊。
早晩、この問題に直面しなければならない日が来るだろう。そこまで私が生きていればの話だが。で、どうする? 

どうするって、私に答えはありません。あるとすればそうですね、なるようになれ、といったところでしょうか。
みかんを送る手配をし、その足で茅ヶ崎の歯医者に向かう。伊豆に住民登録しても、腐れ縁で歯の治療に茅ヶ崎まで行っている。往復の交通費だけで3,000円かかるが、どうも近所に新しい歯医者を探す気力が起きない。2ヶ月に一遍なら、気晴らしに湘南の風に当たるのもいいか、てなもんで茅ヶ崎までのこのこ通っている。
治療を終えたら外はすっかり暗くなっていた。受付で若先生の奥さんが「これから伊豆へ帰るって、大変ねえ」とねぎらってくれる。言われて我ながら大変だと思うが、でも、もうしばらくはこのスタイルが続くだろうな。これも腐れ縁と半ばあきらめてもいます。


【写真】大仁駅ホームの水飲み場。

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まだこんなのが残っている駅があるんですね。駿豆線の終点が大仁駅だった頃の名残だろうか。だとすると、ここの水飲み場で川端康成も井上靖も喉をうるおしたりしたのだろうか。レトロな感じがなんともいい。


【温泉】一二三荘。
大仁駅で電車を降り、一二三荘へ着いたのが午後8時過ぎ。この時間なら空いていると思ったら結構混んでいた。食事を先に済ませてから来るのだろうか。あるいは仕事か何かで遅くなって、今日の私のように、これから家に帰って晩ご飯を摂るのだろうか。


【タイムラプス】12月25日(火)6:27〜7:46の伊豆長岡の空。39秒。

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