いずぃなり

伊豆でのシニアライフ

秋思断ち切れない丘のあすなろう(あ)

クレマチスの丘へ行って来た。

南隣さんが昼前から草刈りを始め、草刈機の音がやけに耳に障って仕方がない。耳に障る音というのは気になり出すとずっと気になってしまう。本を読んでいても活字がまるで頭に入っていかない。それに南隣さんは、旦那さんだけでなく奥さんも一緒に草刈機を操るものだからガーガーガリガリの二重奏が鳴り響いて、とても読書どころじゃない。

散歩に出ようか、それとも図書館に逃げ込もうかと考えたが、昼になって音が止み、やれやれ終わったかと思っていたら、それはランチタイムの休憩だったようで、午後1時を過ぎたところでまたまたガリガリ始まった。

こっちはちょうどテレビで日曜囲碁トーナメントを見ていたところで、依田紀基九段と志田達哉七段の対局が面白く、相変わらず草刈機の騒音は耳障りではあったが、両者の対局の成り行きに集中していたせいか昼前ほど気にならなくなっていた。

それでも対局が終わってみれば元の木阿弥で、またしても騒音が安らぎの休暇を邪魔し出す。ここはやはり逃避に限る、さて、どこへ逃げ込もうか……。

そう考えて思いついた先がクレマチスの丘だった。

8月27日のブログに「仙人草」の写真を載せた際、仙人草は別名「馬食わず」と言い、クレマチスの仲間だと紹介した。それで、クレマチスという花がどんな花か知りたくて、いつか暇な時にでも「クレマチスの丘」へ行って確かめてみたいと書いた。

そのことが頭にあって、それで急遽の行き先をクレマチスの丘にしたというわけです。

ブログを書いていなかったら、絶対にクレマチスの丘へなんて行く気にならなかっただろう。誰かに誘われたわけでもなく、見どころを紹介してくれと頼まれたわけでもなく、たまたまポコンと暇な時間ができて、自分が行きたいと思ったから行くというのは、ブログを書いているところからくる発想だ。日々のさりげない暮らしの中にささやかな変化をつけ、何かを発見し、それを書き記しておきたい、ただそれだけのことなのだが、それが今の私にはとても愛おしく思えるのです。

クレマチスの丘は駿東郡長泉町にある。googleマップでルートを調べたら家から車で37分と出た。が、途中ルートを間違えたこともあって、実際にはその倍近くの時間がかかった。車ではなく50ccバイクだったということもあるが。

クレマチスの花を見に出かけたつもりだったのに、多くの時間を井上靖文学館の見学に費やしてしまった。実はここに井上靖文学館があるとは知らなかった。文学館そのものの存在は知っていたが、それがクレマチスの丘だったとは今日行ってみて初めて知った。思わぬサプライズである。

井上靖に関する展示の数々を見ながら、その足跡を辿り、改めて偉大な作家だと思い知った。余生の読書は中野孝次に倣って古典文学だけに絞ろうと思ったが、井上靖も捨てがたい、例外としてしばらく井上靖に寄り添ってみてもいいかなという気にさせられた。


【写真】翌檜。

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クレマチスの丘にある井上靖文学館の庭に植わってあった。井上靖あすなろ物語』をもう一度読んでみたくなった。

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【あやめ湯】18:33〜19:02


【タイムラプス】9月10日(日)6:24〜8:57の伊豆長岡の空。38秒。

https://www.facebook.com/aisakajiro/videos/10214205070382895/


【歩数】2,302歩。