いずぃなり

伊豆でのシニアライフ

小満や古きメニューの定食屋(あ)

【写真】食堂「タカ」。

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大仁駅から徒歩2分の、旧下田街道へ出る道沿いにある。
先日、田京のスーパーで買い物をしたら、入口脇に大仁の観光スポットや食事処を紹介した手作りマップが置いてあった。マップを作った人は同店の従業員の方という。
面白そうなので一枚もらって家に帰って改めて見たら、これが手作り感満載でなかなかの力作。すべて自分一人で歩いて確かめたことが分かるコメントが手書きで書かれ、なんとも言えない温もりが伝わってくる。
そのマップにこの食堂が紹介され、人気メニューは「ハンバーグ定食」とあった。ハンバーグが人気メニューなら洋風でおしゃれな店なのかと想像し、ともかく一度出かけて確かめてみようと思って今日行ってみた。
店はすぐに分かった。想像していたおしゃれな店構えではなかった。どちらかといったら、時代に取り残された町の定食屋さんといった佇まい。でも、それこそが私の好み。陽が燦々と差し込むガラス張りの明るい洋風よりも、陰翳礼讃ではないが、こういう雰囲気の方が私の性に合っている。
店の前に自転車が1台駐まっていた。お客さんのだろうかお店のだろうかと見ながら、さてバイクをどこに駐めようかと場所を探したが、店の前にも横にもどこにもない。裏にあるのかなと思ってそっちへ回ったが、それらしい駐車場は見当たらない。駅のロータリー横に駐輪場を見つけたが、自転車の盗難に遭ってから駅の駐輪場にはいい印象がない。それにプレートは他県のナンバーだから、それだけでいたずらされることは十分考えられる。
それで結局、先に水晶苑まで行ってバイクを駐め、そこから歩いて店まで戻ることにした。水晶苑から店までは歩いて10分ほど。
暖簾をくぐって店に入ろうとして、一瞬ためらった。店の中が暗いのである。本当にやっているのかと不安に思いながら戸を開けると、店の奥に帽子を被ってテレビを見ているおばあさんがいた。「あのう、いいですか?」と尋ねると、そのおばあさんは「どうぞ、いらっしゃい」と言って立ち上がった。テーブルは全部で4卓あって、そのうちの3卓は大相撲の枡席のように仕切られ、残り1卓は2畳ほどの座敷になっている。
入口にいちばん近いテーブルに座ってメニュー表を探したが見つからない。キョロキョロしていると、お茶を運んできたおばあさんが、メニューはこっちの壁に貼ってあると言って、真ん中のテーブルの壁を指した。
「本日の定食」でいいかと思ったが、「カツカレー600円」も捨てがたいと思い直してカツカレーを注文。そうしたら「ない」とあっさり言われ、では本日の定食を、と改めて注文した。壁に貼られた紙の色が明らかに古いグループの中に人気メニューの「ハンバーグ定食600円」が見え、うわ、安い、それ以外のどれもこれも(実際に全部出す準備ができているかどうかは別にして)、今どきそんな値段でやっていけるのかと心配するくらい安くて驚いた。

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お店は午後2時までだという。駐車場のことを訊いたら「うちに来るのは近くにお勤めの方が多いから、駐車場を借りるつもりはないんですよ」とのこと。駅の向こう側には東芝の工場があって、近くにお勤めの方というのはおそらくそこの従業員さんたちのことを言っているのだろう。なるほど、それで社員食堂並みの値段なんですね。
いい店を見つけました。水晶苑へ行く途中の昼食場所に加えることにします。

【水晶苑】13:50〜15:29(4→1人)

【タイムラプス】5月9日(火)6:20〜8:22の伊豆長岡の空。30秒。

【歩数】4,922歩。