いずぃなり

伊豆でのシニアライフ

雪柳湯屋の帰りの髪触るる

そちこちで鳴く鶯の鳴き声がようやくサマになってきた。
朝は鶯の鳴き声で目が覚める。夕方は仕事の疲れを温泉でほぐす。晩酌の友には沼津・内浦湾のアジの干物を囲炉裏で焼き、田中山のキクイモで箸を休める……。なんて贅沢なんだろうと思う。
伊豆での暮らしを旧友に話すと一様に羨ましがられる。しかし実態は、決して住みよい住環境とは言えない。トカゲ、ゲジゲジ、ナメクジ、イエグモにドキッとするのは日常茶飯事だし、冬ともなれば至るところから隙間風が吹き込んで身を凍えさせる。伊豆は暖かいというイメージで受け止められがちだが、そんなことはない結構寒い。半島中央の天城山にだって普通に雪は降るのです。それに、半島の特徴で あろうか、あるいは高台という事情もあろうか、やたら風が強い。その風に築40年のぼろ家はピューピュー悲鳴を上げるのである。
一時、建て替えも考えた。しかし、先立つモノがない。藤沢のマンションを売って、それを資金に当てたらよかろうとも思ったが、カミさんは藤沢に愛着があるようで「売る」の一言がどうしても言えない。代わりに老後の生活費のためにマンションを賃貸に出そうと提案した。それで賃貸に出すにはリフォームが必要だろう、費用はいくら見積もればいいんだと考えているところへ、名前を初めて聞くリフォーム会社から突然電話がかかってきた。
なんというタイミングだろう。こちらの動きを読まれているような気がしたが、これも何かの縁と考え、リフォームについて少し勉強するつもりで営業マンを家に呼んだ。
営業マンは飛んでやってきた。営業マンは、カミさんが出した茶菓子をバリバリ食いながら、リフォーム前とリフォーム後の写真を撮らせてもらって、それをホームページに載せて社の宣伝をしたい、協力していただければ特別価格でサービスいたします、と一気にまくしたてた。
その勢いに気圧されたわけではないが、では台所だけでもと契約し、後でカミさんに怒られた。すぐその場で決めなくたっていいでしょうよ、他のリフォーム会社と比べるのが普通でしょ、それを即日即決するなんて……。全くそのとおりである。どう考えても、全くカミさんの言うとおりで拙速すぎた。
台所をリフォームする契約を結んだあとで、今度は仲介不動産会社のチラシがポストに入った。この会社はマンションを分譲した会社の関連会社で、チラシには当マンション限定で買いたい人がいるとあった。信頼ある会社だし、ここに賃貸を相談してみようと思って、台所のリフォーム工事前に呼んで話を聞いた。そうしたら、賃貸は立地条件としては不利で、売却のほうが可能性はあると言う。カミさんとも相談し、ではそれでお願いしますと、家に来てくれた人に全てを委ねることにした。そうして昨秋、売却が決まった。
売却で得る収入は、ごっそりカミさんに預けると決めてある(カミさんには言ってない)。これまで私のわがまま勝手を許してくれた、せめてもの罪滅ぼしである。(あ)

【写真】庭のユキヤナギ

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サルスベリの木の下に枝垂れて咲く。まだ咲き始めでそれほど目立たないが、もう少し経つとその名の通り雪が降り積もったように、白い花がびっしり咲く。
3年前、ユキヤナギという優雅な名を知らず、髭もじゃのように伸びてサルスベリの枝を脅かす勢いだったので、ばっさばっさ切ったことがあった。
あの節は申し訳ないことをしました。今後は一切そういうことはしませんので、どうぞこの時期になったら毎年白い花をびっしり咲かせてください。

【淡彩画】岩の山頂(No.45)

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ポイントは「日向の岩肌は眩しいくらいに白っぽく見えるので、濃い着色にならないようにする」こと。
しかし、注意していたにもかかわらず、濃い着色になってしまい、水を塗ってティッシュで吸い取っても、なおこれだけの色が残った。

【あやめ湯】18:32〜19:06(3→4人)

【タイムラプス】3月15日(水)6:09〜8:30の韮山方面の雨空。35秒。

【歩数】1,847歩。