いずぃなり

伊豆でのシニアライフ

すわ火事とめ組の衆や五月闇

写真は、踏切横のコンビニの駐車場に並んだ消防車。

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あやめ湯から帰る途中、韮山反射炉入口を過ぎた辺りから下り車線が渋滞していた。そんなことはこれまで一度もない。事故か何かあったのだろうかと渋滞の先に目をやったら、淡い煙が宵空にたなびいている。火事か? 頭の中で先日5月4日にあった修善寺の火災がぱっと思い起こされた。
おっ、消防車の赤いランプが見える。やはり火事だったか。どこだ火事は……。渋滞の車の脇をそろりそろりバイクを進ませると、いつもビッグコミックを買うコンビニの手前に人だかりがあり、その向かい方の路地に消防車が2台ほど頭を突っ込んでいた。その手前で昔ながらの火消しの印半纏をまとった人が交通整理をしていた。
渋滞の原因はこれだった。火事場周辺は大混雑ではあったが、火事自体は既に鎮火した様子で炎は見えなかった。建物の焦げた臭いも感じなかった。煙も野焼きのような淡い色だったし、修善寺のようなニュースになるほどの火事ではなかったんだなと推察。ただ、私がコンビニの交差点を左折しようとしたときに、前方から救急車がサイレンを鳴らしながら近づいてきたから、もしかしたら怪我人があったのかもしれない。
それにしても、印半纏をまとった人の多さには驚いた。市の消防士ではなく、ひと昔前の、いわゆる村の青年団たちのような人たちがてきぱきと動き回っている。未だにそういった組織が現役で活躍しているんだなあと思うにつけ、地元の村社会の付き合いの濃さに改めて感じ入ったことだった。
そこで、かつてのフォークシンガー岡林信康が「俺らいちぬけた」で、こう歌ったのを思い出す。
♪田舎のいやらしさは 蜘蛛の巣のようで
おせっかいのべたべた 息が詰まりそう
だから俺らは町に出たんだ
義理と人情の蟻地獄
俺らいちぬけた♪
そう、私も青森の片田舎で暮らしているときは、お前はどこそこの誰々の息子だべという、濃くてべたべたした、蜘蛛の巣のようにまとわりつく人間関係から逃れたくて都会に出たのだったが、今こうして都会を離れて暮らしてみると、田舎の人間関係の濃さもまんざら捨てたものではないと思うようになった。そう思うようになったのも、きっと年をとったせいなんだろうな。(あ)
タイムラプスは、5月7日(土)6:21〜8:20の伊豆長岡の空。
あやめ湯(18:31〜19:14)3→3人。

1,354歩。