いずぃなり

伊豆でのシニアライフ

春泥に幼子の影鐘を撞く

この土日は孫の世話からも解放されて、さてどうしようか、雨っぽいけど鬼平犯科帳の舞台になった界隈をぶらぶら歩いてみるのもいいなと思っていたら、突然電話がかかってきた。小田原の娘からである。今、下の子を連れて秋葉台体育館(藤沢)に来ているから迎えに来て、と言う。自分が所属するバスケットチームの試合が藤沢であるらしい。それならそうと前もって知らせてくれればいいものを、私に似て突然言うから困る。連絡がもう少し遅れたら、東京に行った後だったかもしれないではないか。

お兄ちゃんは? こちらは地元小田原のミニバスケの練習で、仕事休みの旦那が面倒を見ることになっているという。そうか、土曜の今日にお兄ちゃんの練習が入っていたから伊豆へ行けなかったわけだな。

カミさんが体育館から孫娘を連れて戻ってきた。孫娘がリビングに入って来てまずすることは、私からパソコン机を奪って折り紙を折ること。いつもはお兄ちゃんに先を越される孫娘も、今日は独り占めできてご満悦である。ブックマークしてある折り紙のサイトを自分で探し見つけ、そこに書いてある説明を読みながら勝手に、バラ、ヒマワリの写真立て、タンス(引き出しも)と折っていく。回数を重ねるごとにだんだん凝ったものを折るようになってきた。凝るのはいいんだけど、折り方が分からなくなると私を隣に呼びつけるから、私は私のことができない。すっとその場を離れようとすると、ダメ行っちゃ見ててと引き止められる。勢いずっと付き合うことになる。

そうなんだ、子どもっていつでも自分を見ていて欲しいんですね。それは分かるんだけど、だからといってこっちも四六時中見ているわけにもいかない。いちいちそんなことをしていたら身が持たない。

ここで私は、4月からの新しい仕事のことを思う。こんな孫の世話のようなことを週4日続けて、果たして老体が持つかどうか。勤務の日は疲れ果てて、帰ってバタンQの生活になりはしないか。疲れを引きずってスタッフの足手まといになりはしないか…。

いかん、4月1日が近づくにつれて気持ちがざわめいてきたぞ。しかし、もう後には引けない。やるしかない。初めての不慣れな仕事ではあるけれど、自分の孫を見る目で見守っていくしかないでしょう。私にできるのはそれしかないのだから。

写真は、自宅マンション近くにある祠の釣鐘を撞く孫娘。撞いたあと、お兄ちゃんがいないと寂しいとぽつり言う。一緒にいるといつも泣かされてばかりいるくせに、いないとやはり寂しく思うらしい。(あ)

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5,503歩。