前栽の秋霜十年二十年（あ）

　「公募ガイド」から目ぼしいものをピックアップしてwebで応募している。
　この作業は楽しい。これで賞金稼ぎができたらどんなにいいだろうと思うが、そういう考え方をする人は世の中にたくさんいる。在宅で稼ごうなんて、世の中そんなに甘くない。
　冊子が月刊から季刊になったところで、締切のスケジュールをカレンダーにまとめようとも思ったが、とてもじゃないけどまとめきれない。それでまとめるのを諦めた。諦めて、季刊冊子をせっせと買って手元に置いておくことにした。たぶんその方が効率がいい。冊子を買う金が勿体無いなんてケチくさいことを考えてはいけない。
　暇にあかして冊子をペラペラめくり、きょうは短歌を二つ応募した。どんな作品かはまだ応募中なので明らかにできない。というか、採用される気がまったくしない。だったら出すなよと言いたいがwebだから出す。ハガキだとハガキを買わなきゃいけないから出さない。パソコンさえあればロハでweb応募できるようになり、それだけ腕磨きのチャンスが増えた。それが嬉しい。
　でも、それもこれも暇があるからできるので、これが仕事を持ちながらだとなかなかそうはいかない。第一、冊子をペラペラめくる時間はあっても思考して作品に整える時間がとれない。
　季刊秋号誌上でコピーライターの阿部さんも言っておられたけど、「選ぶ人に見つかりにいく努力」をすることは大事だと思う。ああ、またあの人が応募してる、と思わせるほどに、まずは物怖じせずに自分を売り込むことが大事なのだ。まさに就活の考え方ですね。採用されるかされないか。
　同じことを何度も何度も繰り返す。絶対に諦めない。そうすることで知らず知らずセンスが磨かれていくのでしょう。切り開かれる道は、そこにしかない。

【今日の一枚】ドウダンツツジ(満天星躑躅)の枝。

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　一連の庭いじりでドウダンツツジの一株をなきものにしたが、伐採したドウダンツツジの枝を組み合わせてオブジェを作れないかと考えた。貧乏性の成せる技である。潔く捨てきれないのである。
　そんなものを作ったところで一体どこに飾るんだ、飾るとこなんてないじゃないか。なのだが、何かに使えないかと捨てないで何でもストックしておくのが私の悪い癖。思い切った断捨離ができないからいつまで経っても片付かない。
　一方、ところで銀行印と通帳はどこへ仕舞ったっけ、と肝心なやつは忘却の彼方なのだから始末が悪い。何が重要で何が重要でないかが判断できない。まあ一言で言えば、生活力がないということになるんでしょうか。そんなんで、よくこの歳まで生きてこれたよな。きっと周りが見かねて手を差し伸べてくれてたんでしょうね。
　これから真紅に色づくだろう葉っぱを全部伐り落としてゴミ袋に詰めた。一株で3袋あった。重量はそれほどでもないけど枝が張って嵩張るんだね。
　ドウダンツツジはあと3株残ってるから、大丈夫。きっと見事な真紅に染まってくれるでしょう。
　ここに置いてあるやつは、うまいオブジェができなかったら切り刻んで焚き付けに回してもいい。たぶんそうなると思うけど、しばらくはこうして風に当たらせておくとしよう。

【書】「送宴」そうえん（No.1,241）

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　「送別の宴会。」（『旺文社漢字典』第2版）
　「送」は、辶と音を表す〓1(よう。送から辶を取り除いた形。「そう」は変化した音。おくる意→媵)とで、おくって行く、ひいて「おくる」意を表す。
　「宴」は、宀(家)と、音を表す〓2(えん。宴から宀を取り除いた形。やすんじる意→安)とで、家で安んじ楽しむ意。ひいて「うたげ」の意を表す。

【ディジタル画】『それから』五の五（No.681）

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　代助は三千代から金を貸してくれと頼まれて兄の誠吾に無心する。が、断られる。
　その翌日、代助が床を出ると、書生の門野が茶の間で新聞を読んでいた。『煤烟』(ばいえん)という連載小説を熱心に読んでいたらしい。
　この『煤烟』という小説は、漱石の門下生である森田草平の出世作という。漱石の斡旋で『それから』に先立って「東京朝日新聞」(明治42年1月1日〜5月16日)に連載された。平塚らいてうと森田草平との塩原心中未遂事件の経緯が素材、と全集注解にある。