新米の届くや遥か米どころ（あ）

【今日の一枚】新米のコシヒカリ

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　新潟の米農家から新米コシヒカリが届いた。
　先日、大磯に引っ越したママと孫の手土産に持たせようと、新潟のいつもの米農家にお米を頼んだら、今なら新米がよかろう台風14号が去ったら発送するからそれまで待ってろという返事をもらった。で、待っていたらきょう(9/24)の午前中に届いた。
　早速LINEで、お礼と台風14号の影響を尋ねたら、台風の影響はそれほどでもなかったとのことで、ひとまずホッ。大型台風14号は、新潟を直撃する気配だったので、コシヒカリの収穫に悪影響が出ないか心配していた。
　と、そんなことを心配していたら、日本列島の南でうろちょろしていた熱帯低気圧が、突如として台風15号に変異し、伊豆を直撃する構えを見せた。幸い、海上にいる時間が短かったために暴風域は大きく膨らむことはなかったが、伴う雨がちと多かった。
　すわ雨漏りかと身構えたが、これまた幸いなことに、1箇所も雨漏りはなかった。築45年のぼろ家のくせして、お前、やるなあ。
　ただ、台風が通過するときの雷が半端なかった。それこそ、これまでに経験したことがないほどのゴロゴロ様(田舎の青森では、雷のことをそう呼んでいた)だった。
　ベッド部屋から見える田中山の上空が白い稲光を放ち、地が裂けんばかりの雷鳴が轟く。どうしていいかわからず、掛け布団を頭からすっぽりかぶり、光と音が止むのをひたすら待つという体たらく。いい男がまったく情けないったらありゃしない。
　白い稲光と轟く雷鳴にはなす術もない。布団にくるまりながら、もしこの稲光が我が身を真っ黒く焼け焦がし、ゴロゴロ様が我が身を真っ二つに切り裂いたとしたら、私はこのままベッドで亡き者になってしまうのだろうかと孤独死を想像した。
　想像して布団を剥がし飛び起きた。飛び起きてパソコンに向かった。パソコンに向かって過去の伊豆文学賞佳作の作品を打ち写し終えた。最後の「了」の字も含めて1万7,231字。
　こんな非常事態に一体何をしているんだか。作品応募のことなんか気にしている場合じゃないだろ。

【書】「海市」かいし（No.1,194）

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　「大気の密度や日光の反射の関係で、地上の物体が空中に浮かんだり、遠方の物体が近くに見えたりする現象。蜃気楼。蜃市。蜃楼。」（『旺文社漢字典』第2版）
　「海」は、氵(水)と、音を表す每(まい。「かい」は変化した音。くらい意→晦)とで、黒ずんで見える深い「うみ」の意を表す。
　「市」は、平と止とで、物資が公平な価に止まる意、ひいて「いち」の意を表す。

【ディジタル画】『坑夫』 76（No.634）

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　坑内のいちばん底の「八番坑」まで案内された「自分」は、再び初さんに案内されて帰路につく。そこで降りるときに苦労した例の梯子の下へ出る。地上へ帰るためにはどうしたってこの梯子を上らなくちゃいけない。
　「自分は蜀の桟道と云ふ事を人から聞いて覚えてゐた。此の梯子は、桟道を逆さに釣るして、未練なく傾斜の角度を抜きにしたものである」
　よし今回は「蜀の桟道」を描こうと勇んだが、後半の「桟道を逆さに吊るして、未練なく傾斜の角度を抜きにした」ところのイメージがどうしても結ばない。1時間経っても結ばない。2時間経っても結ばない。　
　そうこうするうちに時計の針は午後6時を回った。やばいスーパーの弁当が安売りになる時間帯だ急がねば。ということで、今回もかあんかあんの手掘りの坑夫を描いてお茶を濁すことにした。