いずぃなり

伊豆でのシニアライフ

雲の峰漱石全集繙けり(あ)

【きょうの一枚】漱石全集第五巻。

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 岩波書店の全集で、この巻に『坑夫』『三四郎』が収録されている。全巻二十八巻+別巻を揃えるとなると決して安くない。
 安くないけど揃えた。全巻目を通すつもりはなかったが、晩年の楽しみとして買い揃えておいた方が得策な気がして、稼ぎがあるうちに買っておいた。
 それが奏功して、今、全集を読むのが毎日の楽しみになっている。
 柳田國男全集はことごとく裁断してPDF化してiCloudに収納してあるが、漱石全集だけはそうしなかった。
 漱石全集が配本された頃は、ペーパーレスが盛んに言われ出した頃で、なんでもかんでも「自炊」してiCloudに突っ込んだものだが、漱石全集だけは書架に並べておいた。本の装丁が見事すぎて裁断する気が起こらなかったことと、電子書籍化しないで老後は本の重みを確かめながらじっくり読みたいという気分もあった。
 その選択は間違いではなかった。おかげで今は、存分に漱石全集と向き合うことができている。
 読み進めるにつれて判らないことがどんどん増えていく。それを画に描こうとすると、判らないことがどんどん増幅される。これはどうなっているんだろうと調べれば、また新たな疑問が湧いてくる。その繰り返し。
 気がつけばいつも座右に漱石全集がある。iPadがある。それさえあれば、一日がちっとも退屈しない。
 なんと充実した日々を送っていることか。そういう日々を楽しめるのは、これすべて漱石全集のおかげである。


【書】「後顧」こうこ(No.1, 134)

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 「①うしろをふり返る。②あとのことが気にかかること。」(『旺文社漢字典』第2版)
 「後」は、〓(後から、幺のパーツを取り除いた形。足をひいてゆく意)と幺(少しの意)とで、あとに「おくれる」意、ひいて、位置の「あと」、時の「のち」などの意を表す。
 「顧」は、頁(頭)と、音を表す雇(めぐらす意→互)とで、頭をめぐらしてふりかえる、「かえりみる」意を表す。


【ディジタル画】『 坑夫』 16(No.574)

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 汽車賃を払うのに、私は、懐から蟇口を取り出して、蟇口ごと長蔵さんに渡す。「此の蟇口は鰐の皮で拵へた頗る上等なもので、親父から貰ふ時も、是れは高価な品であると云ふ講釈を篤と聴かされた贅沢物である」。
 こういう鰐皮の蟇口を持っているところからして、いいとこの坊ちゃんだと判るが、第12話で既に「実を云ふと自分は相当の地位を有つたものゝ子である」と、自ら素性を明かしている。
 長蔵さんも蟇口を上等のものと見立て、私に返さないでそのまま自分の懐に仕舞ってしまう。人の物も俺の物、ですか。まるでジャイアンだね。
 今回は、鉛筆ブラシで下絵を描いてます。で、新しいレイヤーに「水彩絵具I1」で輪郭を描き彩色を施しています。


【タイムラプス】 7月26日( 火)6:46〜8:50の韮山方面の雨空。25秒。

https://www.facebook.com/1298610339/posts/pfbid0zbwcx7u3nPDAUkdKd5VkvTcU96T2rHUWSW2u5SpHxAn3UDBXh3PFucU7qtdm4bUTl/?d=n


【新型コロナ】7/26(火)10:00現在(Yahoo!より)
新規感染者数→126,576(前週同曜日比 +50,393)
重症者数→249(前日比 +16)
伊豆の国市陽性者数→77(前日比 +54)(静岡市HPより)