いずぃなり

伊豆でのシニアライフ

紫の舌をべろりと菖蒲かな(あ)

 梅雨入り前の大雨の傾向が天気予報図に出ている。
 予報によると、5/12(木)午後から天候が崩れ、13(金)〜14(土)にかけて記録的な大雨になるという。どれくらい「記録的」なのかは判らない。もしかしたら、公民館を開放するレベルにまでなるのかもしれない。
 そうなると私は地域を代表する長として、家族の安否よりも地域区民の安全を確保しなければいけない。でも、果たしてそれって自主を防災することになるのだろうか。そのことで私の頭の中は混乱している。
 かつて、狩野川台風の惨事を床屋のお母さんから聞いたことがある。
 狩野川台風は昭和33年9月に起こった。死者・行方不明者合わせて1,269名の大惨事になったという。
 とてつもなく大きな台風が伊豆半島をすっぽり呑み込み、支流からの鉄砲水がたちまち狩野川を膨れ上がらせた。山から押し流された倒木は修善寺橋と大仁橋でダムを作り、それらが決壊して下流域に大洪水をもたらした。
 そんな中、濁流に押し流されながら、それでも家族の安否を気遣って一旦様子を見に家に戻った方がいた。その方は当時消防団の分団長をしていた。
 その方は、無念にも目の前で家族と生き別れになり、自らもそのまま還らぬ人となった。
 仕事熱心な方だったのだろう。家族のことよりも先に地域の安全のために尽力した方だったのだろう。家族のことが心配で、いてもたってもいられず、家の様子を見に行ったばかりに自らの命を落とすことになった。
 美談として後世の語種になろうとも、その人の命は二度と還って来ない。大切な家族も還って来ない。それでいいんだろうか。強い雨風に襲われるたびにそのことが頭をよぎって止まない。
 
【きょうの一枚】庭のサンジャクアヤメ(三尺菖蒲)。

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 なんとも艶やかですね。今にもとろけてしまいそう。


【書】「采用」さいよう(No.1,059)

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 「選びとって用いる。=採用」(『旺文社漢字典』第2版)
 「采」は、爪(つめ)と木とで、木の芽や果実などをつみとる意。採の原字。
 「用」は、盛り土をつき固めて土べいなどをきずくとき、両がわから当てて土くずれを防ぐ細長い板の間に、くいを打ちこんださまで、突き通す意。ひいて、通じる意、転じて「もちいる」意に用いる。


【ディジタル画】『三四郎』 61(No.499)

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 三四郎は大学の陸上運動会を見に行く。応援席には野々宮の妹と美禰子も来ているはずで、探したら、果たして運動場の柵にいちばん近いところに二人はいた。
 そこでふと思い出したのが同じ熊本出身の金栗四三。調べると、金栗四三が生まれたのは明治24(1891)年。漱石が熊本五高の英語教師に赴任したのは明治29(1896)年。その前年に『坊ちゃん』の舞台となった旧制松山中学に英語教師として赴任している。
 略歴を強引に重ねれば金栗四三と漱石の接点はなくはないが、そうなると、金栗四三が5歳のときに熊本五高生でなければいけない。それはさすがに無理がある。
 のち、金栗四三は東京高等師範学校に入学するが、その頃はもう漱石はいない。旧制松山中学、熊本五高を経て、イギリスへ留学している。だから、漱石と金栗四三は同時代には生きたけれど接点はなかったと見たほうがいいかもしれない。
 今回もすべて「Gガッシュ」で描いた。 
 
【タイムラプス】5月12日(木)7:37〜9:41の伊豆長岡の空。30秒。
 https://www.facebook.com/1298610339/posts/10228382074079127/?d=n
 
【新型コロナ】5/12(木)10:00現在(Yahoo!より)
新規感染者数→45,955(前週同曜日比 +19,489)
重症者数→163(前日比 +5)
累計死亡者数→29,942(前日比 +41)