いずぃなり

伊豆でのシニアライフ

温温と土の底より花馬酔木(あ)

 あれから11年。「あれ」とは、東日本大震災のこと。
 あれをきっかけに私の人生も180度転換した。
 定年退職を控えたある日、私は終の住処として阿武隈の山の中にこもることを考えていた。チョロチョロ流れる沢の水音を聞きながらうとうとする日々を夢見ていた。
 それが、11年前の東日本大震災によって夢が打ち砕かれた。福島に住むことを諦めて、改めて定年後に住む場所を探していたところへ今の住まいが見つかった。もともと富士山を眺めながら暮らすことにも憧れていた私は、一発で今の場所が気に入った。
 いわゆる衝動買いというやつですね。カミさんには事後報告で済ませた。カミさんは勝手に私が決めたことに文句一つ言わなかったが、腹の底では、ボロ家に金をばかすかつぎ込むことに抵抗を感じていたのかもしれない。ボロ家を手に入れるために退職金をごっそり使い果たすどころかなお借金を抱えたことにご立腹のふうでもあった。
 とまれ、あの東日本大震災がなかったら、私はいま伊豆にいなかったかもしれない。
 きょうの午後、公民館で定例総会の準備をしていたら、近所の方が名刺を持って挨拶に来た。「東日本大震災」の追悼で宅に多くの人が集まるから、公民館の駐車場を貸してくれないか、というのだ。どうぞどうぞご自由にお使いくださいと伝えて名刺の住所を見たら私の近くに住んでいる方だった。
 私は青森出身だと自己紹介すると、その方は「私の母は岩手出身だ」とおっしゃった。あのとき津波に流された母はいまだに見つかっていないともおっしゃっていた。もしかしたら、きょうの人も、津波に呑まれていく母の姿を目の当たりにしていたのかもしれない。
 あれから11年。その方の心にはあのとき生き別れた母の姿がずっと今も消えずにあるのだろう。


【きょうの一枚】庭のアセビ(馬酔木)。

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 ほぼ満開状態。上方の梅の花はまだ咲き渋っているが、こっちは大盛況。
 春です、春です。知らぬ間に我が庭にも春が忍び寄っています。


【書】「辛勤」しんきん(No.999)

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 「つらいつとめ。また、苦労してつとめる。」(『旺文社漢字典』第2版)
 「辛」は、罪人に刑罰を加えるための鋭い刃物の形にかたどる。転じて「つらい」意、さらに転じて「からい」意、借りて、十干の第八、「かのと」の意に用いる。
 「勤(勤)」は、力と、音を表す菫(きん。つきる意→僅)とで、力を出しつくして「つとめる」「つとめ」の意を表す。


【ディジタル画】『三四郎』1 (No.439)

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 『吾輩は猫である』のディジタル画は全部で111枚描いた。描いただけで、それで上手くなったという意識がまるでない。
 さて、『三四郎』はどうだろう。こっちも何枚になるか判らないけど、まあ、ちびちび読み返しながらゆったり描いていきますわ。
 今回もすべて「Gガッシュ」で描いている。「Gガッシュ」は私にとって相性がいいみたい。  


【タイムラプス】3月11日(金)6:19〜8:35の伊豆長岡の空。33秒。

https://www.facebook.com/1298610339/posts/10228030628613210/?d=n


【新型コロナ】3/11(金)10:00現在(Yahoo!より)
新規感染者数→61,155(前週同曜日比 −9,193)
重症者数→1,322(前日比 +1)
累計死亡者数→25,722(前日比 +189)