孫のゐて柿ピーありて古酒ありて（あ）

　ちばてつやさんが会長を務める「日本漫画家協会」で、7月に大規模な土石流被害に遭った熱海市を支援しようと、現在、チャリティーオークションが実施されている(10/17まで)。これまでにオークションで集まった義捐金は1000万円を超えるという。
　「はじめの一歩」で知られる漫画家、森川ジョージさんは「災害が起きるたびに僕ら漫画家は無力だと感じてきましたが、何かしたいという思いからオークションを行うことになりました。落札価格の高さには驚きましたが、すべてみなさんの熱海を支援する気持ちだと思います」と話していたそうだ。
　森川さんの言う「落札価格の高さには驚きました」というのは、ちばてつやさんと共同で手掛けた色紙が95万円で落札されたことを言うのだろう。
　私の近所にも土石流被害に遭われたホテル関係者がおられ、今回の惨事はとても他人事とは思えない。だから、「熱海を支援する気持ち」は人一倍強く持っている。のだが、95万円なんてどこをどう叩いても出てこない。

　支援する気持ちはあっても先立つものがなければ支援にならない。何をするにも必要なのは、金、金、金。名を売らなければ金を稼げない。私がまずすべきことは、これなら金を払ってもいいと思わせる作品を世に示すことにあるようだ。

【きょうの一枚】孫娘が買ってきてくれた柿ピー。

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　先日、自治会からいただいた商品券を孫娘に渡したら、孫娘はそれを持って地元ショッピングモールまで自転車を走らせて買い物に出かけた。私も一緒に行こうと思えば行けたが、孫娘が一人で行きたいと言ったのでそうさせた。そうしたら、商品券で何を買ったと思います？
　私を含めた家族みんなのお菓子を買ってきたんです。私には白かりんとうと柿ピー。好みをよく知っています。
　どんな思いで商品棚を見て回ったんだろう。家族一人ひとりの顔を思い浮かべ、それぞれの好みを考えながらカゴに入れたんだろうか。
　自分以外の人のことを考えながら買い物できるようになったんだね。ありがとう。きょうの晩酌はとびきり旨いよ。

【書】「今雨」きんう・こんう（No.852）

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　「新しくつきあっている友。雨・友の音が通じることからいう。↔︎旧雨」（『旺文社漢字典』第2版）
　「今」は、壺形(つぼがた)の器や瓶(びん)の蓋(ふた)の形。下部に栓(せん)のついている蓋で、きのこのような形である。時の今昔(こんじゃく＝いまと昔)の「いま」の意味に用いるのは、その音を借りて用いる仮借(かしゃ)の用法である。
　「雨」は、天から雨のふる形。「あめ、あめふる」の意味に用いる。

【ディジタル画】『吾輩は猫である』 11（No.294）

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これを描く前の画は、こちら↓。

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　細君の怒りの目を表現するのに、目尻に紅をさした。これはねぶた絵を描くときの用法。
　細君は柄の短い座敷箒を振りかざしているが、握る柄の、もう少し端を持った方が自然だったな。これじゃ、箸を持つ手と一緒だ。まだまだ修行が足りません。　