いずぃなり

伊豆でのシニアライフ

止まる草見つけゆるりと秋の蝶(あ)

 休日の朝はいつもより遅く起きる。一応アラームは3時に鳴るが、それを止めてまた布団に潜り二度寝する。ああ、二度寝ができるんだと、休日を実感する。

 遅めの朝食を摂ったあとは、一週間分の洗濯物を洗濯機にぶっ込み、挽きたてのコーヒーを飲みながら庭を眺める。

 サルスベリ(百日紅)の花はすっかり散り落ちたけれど、どっこい、隣のムクゲ(木槿)はまだ咲いている。おやっ、黒い鳥の影が一つまた一つ、青木の茂みに突っ込んでいったぞ。あれは大きさからしてヒヨドリかな。青木の実でも食いに来たか。

 ぴっぴっぴ〜。洗濯の終了を知らせるアラームが鳴った。洗濯物を干しながら、さて、今日は何をしようかと考える。やろうと思えばなんでもできそうな、そんな幸せのひととき。

 

【今日の一枚】ヤマトシジミ。

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 全長2cmほどの可愛らしい蝶。

 庭の枯れ葉を熊手でかき集めているところへひらひら舞い飛んできて、足元の草に止まった。カメラを近づけたら飛び去るかなと思ったが、そのままじっとしていてくれた。おかげでいい写真が撮れた。

 撮ったときは名前を思い出せなかった。ネットで確かめるにしても名前が判らないと検索に時間がかかるな。でも、それも勉強だ。

 大体、蝶の名を調べようなんて、ブログを始める前まではついぞ思わなかったことだが、ブログを始めてからはこうして名前を知りたいと思うようになるのだから人生は面白い。これもブログを書く効用か。

 ブログを書いていると、いろんなことを知りたいと思うようになり、知れば知るほど判らないことがどんどん増える。増えて、増えて、際限がない。

 で、写真を撮って家に入ったら、ちょうどテレビにアサギマダラが映っていた。NHKのローカルニュースで、下田にアサギマダラが飛来したと報じている。アサギマダラかあ、「旅する蝶」だな。きれいな蝶だ。と見ていて、はたと気づいた。もしかして、庭で写真に収めた蝶は、なんとかシジミという蝶ではないか?

 「……シジミ」という名のついた蝶が確かあったな、と思って、「シジミ」を頼りに検索したら、ピンポーン、写真の蝶は「ヤマトシジミ」でした。

 このヤマトシジミ、「東京都でも最も発見頻度の高いチョウの一種である」<https://ja.wikipedia.org/wiki/ヤマトシジミ_(蝶)>そうな。また、「近年分布域の北進が報告されており、2012年における分布北限は青森県深浦町である」とも<同>。ほう、青森でも飛んでいるんですね。

 青っ洟を垂らしながら野原を駆け回っていたときは、モンシロチョウとかモンキチョウとかが飛んでいるのは普通に見かけたが、ヤマトシジミが飛んでいる姿は記憶にない。その昔はまだ青森には生息していなかったのかな。青森でも見かけるようになったのは、近年の地球温暖化の影響もあるのだろうか。

 ヤマトシジミの幼虫の食草はカタバミで、「日当たりのよい場所にカタバミさえあればほとんどどこでも発生する」<同>そうだ。そういえば、うちの庭にはカタバミがちょぼちょぼ生えている。こいつはそれを目当てにやって来たのか。なるほど、これでヤマトシジミとカタバミの関係が判った。

 庭を持つと手入れが大変だけど、こうした小さな発見があって楽しい。物心がついた頃からずっと庭のある暮らしをしてきた人には、何を今更かもしれないけれど、長いことマンション住まいをしてきた(24年)身からすれば、四季折々の自然を身近に感じられることは、何物にも替えがたい至福なのです。

 

【書】「同帰(歸)」どうき(No.492)

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 「①同じ所に行き着く。②一緒に帰る。」(『旺文社漢字典』第2版)

 「同」の字形は、凡(ぼん)と口とを組み合わせた形。凡は盤の形。口は、神への祈りの文である祝詞(のりと)を入れる器の形。→白川静『常用字解』

 「帰」のもとの字は歸に作り、𠂤(し)と止と帚(そう)とを組み合わせた形。→同

 

【タイムラプス】10月24日(土)6:43〜9:01の伊豆長岡の空。34秒。

https://twitter.com/aisakajiro/status/1320153360054415361?s=21