いずぃなり

伊豆でのシニアライフ

ロートルの気焔はくはく扇風機(あ)

 今日は、孫娘の図画工作の課題に付き合う。

 孫娘は、小田原で「金魚すくい」の風景を鉛筆で下描きしてあった。伊豆へ来て、それを絵の具で仕上げる算段だったらしい。

 ところが、その「金魚すくい」の絵がどうも気に入らないらしく、違うのを描きたいといって消しゴムで全部きれいに消した。

 さて、何を描く? と訊いたら、伊豆らしい風景を描きたいと言う。そんなら、庭の白葡萄でも描くか? と言ったら、それにする、と孫娘は即決した。

 まずはスケッチブックに写生して、それをもとに指定用紙に描いていけばいいとアドバイスをすると、スケッチブックに描いた方がうまく描けたらどうするの? と返してきた。なるほど、そういうこともあるかもしれないと思いながら、単に同じのを二度描くのが嫌なんだろうと思って(私がそうだから)、スケッチブックには実際に見たまんまを部分的に描き、課題用紙には全体のバランスを考えながらスケッチブックに描いたパーツを配置してごらんと言った。

 で、二人して庭に出て、孫娘は下駄を突っかけて白葡萄の写生を始める。「ほら、葡萄の実も、よく見ると明るい部分と暗い部分とあるでしょう。上から光が差しているから下は暗くなっているでしょう。それを描き分けるといいよ」とアドバイスをくれて、さて私は草むしりでもするかと庭の奥へ行こうとしたら、「ここに、いて」と孫娘。ここにいて、アドバイスを怠るなとわがままを言う。

 それで、その周辺の草をむしっていると、ここどうすんの、あれどうすんの、どう描けばいいか判らないと孫娘の質問責めにあって、その度に腰を上げなくてはいけないから草むしりが全然はかどらない。

 むしった草が45Lゴミ袋いっぱいになったところで、背景はどう描けばいい? と来た。メインは白葡萄だから、背景を少し暗い色で塗って白葡萄を引き立たせたらいいんじゃない? とアドバイスしてゴミ袋を車庫まで運ぶ。

 戻ってきたら、孫娘が泣いていた。うまく描けないと泣いている。少し暗い色と言ったところを少しでない暗い色に塗ってしまったのだ。慌ててティッシュで吸い取っても時すでに遅し。さらに、吸い取ろうとしたら課題用紙に穴を開けてしまった。

 ああ、孫娘の顔は汗と涙でグショグショになってしまった。人間は、こうして失敗しながら成長していくものなのさと言ってみたところで、それは孫娘にとってなんの慰めにもならなかった。

 

【今日の一枚】まだ現役のロートル扇風機。

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 この扇風機は、前のオーナーから譲り受けたもの。譲り受けたとはいうが、実際には処分するのが面倒で勝手に置いていったといった方が正しい。室内家具としては、ゲスト用ベッド2台と布団を処分してもらった以外は、テレビも、冷蔵庫も、洗濯機も、掃除機も、全部譲り受けた。その中に扇風機も入っていた。

 この扇風機は、羽を覆う金具がイカれて、それにやけに重いし、いずれ処分せねばと思いながら、外の物置に仕舞ってあった。が、孫が遊びに来て暑い暑いとやたら騒ぐものだから、どっこいしょと物置から取り出して組み立てた。

 例の金具がイカれた箇所は洗濯バサミで応急処置をした。ついでに、そばにあった荷造りテープを結んで風にひらひら泳がせたら、そいつは面白いあたしもやると孫娘が手伝ってくれた。手伝ってくれたのはいいが、こんなにしてしまったんじゃ見た目からして暑苦しくて仕方がない。やるにも限度というものがあるだろうが。

 

【書】「金星」(No.425)

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 金星には「明けの明星」と「宵の明星」がありますね。宵の明星がいわゆる「一番星」。今見えているのは「明けの明星」で、「宵の明星」は来年の今頃まで見えない。

 「金」の縦棒がやや右側に傾き、その傾きを少し左側に持ってこようと「星」を書いたがどうだろう。「星」の、三つの丸のいちばん低いやつを、もう少し左に持ってくれば全体のバランスが整ったかな。

 

【タイムラプス】8月13日(木)5:21〜7:35の伊豆長岡の空。33秒。

https://twitter.com/aisakajiro/status/1294040121101099008?s=21