今日の朝日新聞社説で「電柱のない社会の実現」について言及していた。
先週、2年の社会科の授業で京都の景観を写した写真を見た。授業者は電柱が一本もないことを特徴として挙げていた。そのことが頭にあって、今日の社説に目が留まった。
強風や地震で電柱が倒れ、長時間停電したり、道路がふさがれて緊急車両が通れなかったりしたことから、無電柱化推進法が制定された。それで政府は早速2018年に推進計画を作った。
その推進計画は、計2400kmの道路から電柱を撤去する目標を掲げていて、今年度がその最終年度にあたるという。が、進捗率は春時点で4割にとどまるとか。
なぜそんなにもたついているかというと、道路は国土交通省、電力は経済産業省、通信は総務省と、所管が分かれているのがネックになっているらしい。そこで社説は現政権に対して「縦割り行政の弊害」にも目を向けることを主張しているわけだ。
私の家の前の道路に立つと、裾を広げた富士山が正面に見えるのだが、そのど真ん中に電柱が立ち、いちじるしく景観を損ねている。ここは洪水の心配のない高台だから、電線を道路下に埋めてしまえばよかろうと思うのだが、そうなる気配が全くない。京都ではできているのだから、その気になれば無電柱化も可能だろう。
ちなみに、無電柱化率はロンドン、パリが100%で、台北が96%。それに比べて東京23区は、たったの8%だって。マジっすか。
観光立国をうたうなら、まずは無電柱化でしょう。と思っていたら、電柱の新設が今も全国で年7万本も増えているんだって。これじゃ、無電柱化推進法は絵に描いた餅だ。
ああ、この電柱さえなかったら、それこそインスタ映えする写真が撮れるのになあと、家の前の道路に立つたびに思う。電気のない時代には今さら戻れないから、電柱のありがたみは十分すぎるほど判るけれど、長時間停電や緊急車両の通行を妨げることのないよう、景観だけでなく、そのような災害対策としても電線を地下に這わせることを切に願いたい。
【今日の一枚】庭の寒椿。
庭には赤、白、桃の3種類の椿が植わってあって、玄関前の赤と白はまだ固い蕾だが、風呂場外のこの椿は桃色の花をだいぶ咲かせている。今時分に咲くから、これは寒椿だね。
【書】「吹雪」[国]ふぶき(No.514)
「強い風に吹かれて降る雪。」(『旺文社漢字典』第2版)
「吹」は、口と欠(けつ)とを組み合わせた形。欠は前に向かって口を開いて立つ人を横から見た形で、息をはき、ことばを言い、歌を歌い、叫ぶときの形である。この字の場合は、古い字形は口を開いてひざまずく人の形にかかれている。→白川静『常用字解』
「雪」は、空から雪片(せっぺん)が舞い落ちる形。甲骨文字によると、その雪片は羽の形のようにもみえ、また小枝などに付着している形のものもある。→同
私の生まれ育った津軽では、「ふぶく」とは言わないで「ふぐ」と言った。雪は降るものではなく「ふぐ」ものだった。だから名詞も「ふぎ」となって、「うだでふぎだはんで外こさ出はいしな(大変な吹雪だから外へ出るな)」などと使う。
【タイムラプス】11月16日(月)5:45〜7::08の伊豆長岡の空。20秒。
https://twitter.com/aisakajiro/status/1328462788914675717?s=21