いずぃなり

伊豆でのシニアライフ

わなわなと雨滴らせ秋ざくら(あ)

 ふと気がついたら、カウンターの椅子に座ったまま眠りこけていた。帰宅して、次にアップする「書」を書いてひと段落し、椅子に身を投げていたときだった。よほど疲れていたのだろう。

 怒涛の一週間がようやく終わった。担任の先生の体調が恢復(かいふく)せず、とうとう一週間、まるまる担任の代理をすることになった。

 代理とはいっても、支援員の立場であることには変わりなく、権限は支援員の域にとどまる。中途半端なことこの上ない。

 担任の先生とはLINEで情報交換をしていて、休みの日の朝にその旨をLINEで知らせてくる。だから職場のタイムカードを押すときに、「今日も○○先生はお休みです」と教頭先生から告げられても、別段驚かない。「はい、知っています」とも言わない。「判りました」とだけ言う。

 担任の先生から届くLINEには、早く学校に行きたい、行ってみんなに会いたい、と綴られていて、行きたい気持ちがひしと伝わってくる。少し無理をおしてでも出勤したいと教頭先生に連絡を入れるようなのだが、教頭先生からは許可がおりない。完全に治ってから出勤するように言われるという。

 この間、私は毎夕、その日にあった出来事を、「①校時は……、②校時は……」とLINEを通して逐一報告している(スナップ写真を添えて)。担任の先生も私の報告から今の教室の様子が判るようで、それで、早く体調を整えて学校へ行きたいといった感想を返してくる。

 行きたくても行けないというのは辛いことだろう。その辛さに比べたら、私の疲れなんて屁でもない。

 今年はコロナ禍のこともあり、夏休み前に、互いに意思疎通を図る意味でLINEのやりとりしませんかと担任の先生に提案し、快諾を得ていた。が、実際にはこれまでほとんどLINEでのやりとりはなかった。

 けれど今回、担任の先生が体調を崩すに及んで、LINEは強力な意思疎通手段だと改めて思い至った。LINEを使うと現在進行形で起こっている出来事を、写真入りで簡単に送受信できる。こんな便利なツールが無料というのはほとんど奇跡みたいなものだ。

 こうして一週間ほど担任の代理をやってみて、やっぱり担任の仕事量は半端ないというのが実感。今日は前期日程の最終日で、通知票を配付することになっていたが、その通知票のコメントもしっかり用意できていたのには驚いた。期末テストを終えた後には合唱コンクールあり体育の部ありという中で、一体いつコメントをまとめていたのだろう。朝練があり昼練があり放課後も練習に部活にと時間を取られ、勤務時間内には絶対に消化しきれなかったはず。きっと家に持ち帰ったに違いない。

 そんな陰の苦労を微塵も見せず、先生方は今日も与えられた業務を笑顔でこなしている。すごいと思う。とても私には真似できません。

 

【今日の一枚】花壇のコスモス(秋桜)。

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 雨に濡れたグランドを見下ろすように咲く一輪のコスモス。日日草の中に種が混ざっていたか。

 体育の部を終えたグランドも、その熱気が鎮まり、今は秋雨にそぼ濡れながら静かに冬を待つ。

 

【書】「多聞」①たぶん②たもん(No.491)

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 「①多く聞く。見聞・知識が多い。また、その人。②〔仏〕①経文を多く聞いて仏を信じること。②多聞天の略」(『旺文社漢字典』第2版)

 「多」は、夕と夕とを組み合わせた形。夕は肉の形であるから、夕を二つ重ねて肉の多いことをいう。→白川静『常用字解』

 「聞」の音符は門(もん)。口のあたりに手を近づけている形で、これは以聞(いぶん=天子に申し上げること)の意味の字であろう。→同

 

【タイムラプス】10月23日(金)5:24〜7:12の韮山方面の雨空。26秒。

https://twitter.com/aisakajiro/status/1319812220675452928?s=21