いずぃなり

伊豆でのシニアライフ

出し尽くすすべてのものに天高し(あ)

 土曜日曜と順延になっていた体育の部が、今日行われた。平日にもかかわらず、多くの保護者が応援に駆けつけた。

 生徒の登校は7:50。その前から先生方はグランドに出て、連日の雨ですっかり消えてしまった白線を引き直していた。一体何時から準備をしていたのだろう。

 プログラム時刻より1時間遅れの、9:30から競技が始まった。

 新型コロナの三密を避けるために、今年はグランドのレイアウトを変えた。本部席テントから左右に翼を広げるように2チームずつ応援席を配置する。200mトラックの2/3を生徒の応援席とし、残り1/3を保護者の応援席とした。例年の逆である。だから、校舎からグランドに降りる段差の部分は、今年は使用しなかった。

 私は、他の職員3人と受付を担当した。保護者の応援席を校舎からいちばん遠い鉄棒側にした関係で、受付を正門を入ってすぐの脇に設置した。早い人は受付のテーブルが到着する前にはもう来ていて、しょうがないから地べたに名簿を置いてチェックした。

 そうそう、昔の運動会といえば応援席の場所取り合戦で、朝早くから来てましたよね、とかなんとか、孫の応援に来たというご老人と話をしているところへテーブルと椅子が到着した。 

 隣で受付用のテントの組み立ても始まった。が、テントがなかなか組み上がらない。そこでご老人、組み立てにまごついている子たちの中へ、見ていられないというふうに加わって、長袖のシャツを腕まくりして手際よくテントを組み立てたものだ。恐れ入りました。いや、ありがとうございました。

 受付からは競技の様子を見渡すことができたが、途切れなくやってくる保護者の対応でシャッターチャンスがなかなか得られない。だから、午前の部の競技の写真はほとんど撮れていない。撮れたのは、他の職員に受付を任せて撮った3年全級リレー、縦ムカデ、閉会式くらいか。

 受付の背中がちょうど赤組の応援席になっていて、競技が進行するに連れて応援席のボルテージが上がっていくのが手に取るように判った。学年の枠を超えて「がんばれ」「がんばって」と声援を送る。なんかチームが一体となっている感じが伝わってきて、見ていてこっちも気分が高まってくる。

 最高潮に達したのは、最後の種目の「縦ムカデ」の前だった。これに勝てば逆転優勝もあり得るというところまでトップを追い詰めた赤チームの3年は、全員が応援席の後ろで円陣を組み「いくぞ」「おう」と気合を入れる。それが奏功したか、赤チームは見事1位でゴールし、ゴールし終えた全員が「えい、えい、おう」と勝鬨を挙げ、応援していた1、2年からも惜しみない拍手が送られたのだ。

 応援席に戻ってきた3年は誰かれなく肩を抱き合い、健闘を讃えあっていた。素晴らしい笑顔だ。全力を出し切ったあとの、晴れやかな笑顔だ。いいねえ、青春だねえ。その笑顔をきっと忘れるでないよ。その笑顔は君たちの、何物にも替えがたい永遠の宝物だ。

 

【今日の一枚】体育の部の閉会式。

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 戦いを終えた皆が、総合得点に注目する。序盤から終始リードしていた青組が、最後の3年種目縦ムカデに敗れ赤組に逆転優勝を許した。今年の体育の部は実に見応えがあった。

 開会式からずっと厚い雲に覆われていた富士山が、晴れわたった秋空にポッカリ顔を出した。皆の健闘を祝福するようだった。

 

【書】「自戒」じかい(No.480)

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 「自分で自分をいましめる」(『旺文社漢字典』第2版)

 「自」は、正面から見た鼻の形。自分自身をいうとき、自分の鼻を指さしたり、自分の鼻を押さえることは古くからのことであったらしく、自は「おのれ、みずから」の意味となる。→白川静『常用字解』

 「戒」は、戈(か)と廾(きょう)とを組み合わせた形。廾は左右の手を並べた形。戈(ほこ)を両手で高く持ち上げている形が戒で、武器をとって戦いの準備をし、用心することをいう。→『常用字解』

 

【タイムラプス】10月12日(月)5:16〜7:11の伊豆長岡の空。28秒。

https://twitter.com/aisakajiro/status/1315779488735584256?s=21