いずぃなり

伊豆でのシニアライフ

台風来るなら来いや波板屋根(あ)

 例によって「縦書きコラム」に目を通していたら、今日の福島民報コラム「あぶくま抄」にいいものを見つけた。

 NHKラジオ第一のドラマ「新日曜名作座」である。俳優の西田敏行さんと竹下景子さんの二人が、何人もの登場人物を演じ分けているというので、早速聴いてみることにした。

 iPhoneで「新日本名作座」と検索したら、すぐにヒットした。コラムによると、「五十年も続けた先代の森繁久弥さん、加藤道子さんの二人に勝るとも劣らぬ魅力がある」という。テーマ音楽も福島市出身の古関裕而さん作曲とのことで、「おなじみの長寿番組」と誇らしげに紹介していた。

 聴いたのは、阿川弘之作『あひる飛びなさい(全6回)』のうちの2回目の放送。1回目の放送は、残念ながら「聞き逃し対応」の時期を逸していた。

 コラム子は、「特に西田さんの千変万化の声色は、どんな役を演じても根底に温かみが感じられ、聞きほれる」と、地元郡山市出身の西田さんにゾッコンだ。こういった、おらが村のヒーローを称える気持ちに触れることができるのも「縦書きコラム」を読む楽しみである。

 番組放送の時間は1回が30分で(7:20〜7:50)、これは、晩酌を楽しみながら聴くにはもってこいのラジオ番組だと思った。何で今までその存在に気づかなかったのかと悔やまれる。

 昨今は、ニュースや文学作品を機械音声に変換してくれるアプリもあって、いやあ便利な世の中になったものだと感心しきりだが、機械音声は所詮機械が作る音声であって、聴いていて温みがない。その点、人間の生の声はほんわかとした温みがあって耳に心地よい。

 名優お二人が声色を自在に操った番組に「まんが日本昔ばなし」がある。常田富士男さんと市原悦子さん(どちらも故人)の絶妙な語り口が人気だった。あちらは、まんががアニメーションとしてテレビで動くから子どもたちの受けもよいが、「新日本名作座」はラジオ番組だから、そうはいかない。が、耳で聴いて場面を想像するといった大人の楽しみはある。「まんが日本昔ばなし」が子ども向けなら、「新日本名作座」は大人向けと言えようか。

 いいものを紹介してくれた。よし、これからの秋の夜長の日曜は、「新日曜名作座」を聴いて至福の時間を味わうとしよう。しめしめ、また楽しみが一つ増えた。

 

【今日の一枚】6畳和室外の物置の扉。

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 台風14号が伊豆に接近するとの予報に、台風がまだ来ない今日のうちにと暴風対策を施した。

 職場を出る段階で、台風の進路が少し南寄りに変わったと知り、ひとまず直撃は避けられそうだということで、物置の扉に板を打ち付ける程度で済ませた。庭の鉢植えも風除けのスペースに移しておいた。

 さあ、どこからでもかかってきなさい。

 

【書】「死霊(靈)」[国]しりょう・しれい(No.477)

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 「浮かばれない死者のたましい。↔︎生霊」(『旺文社漢字典』第2版)

 「死」は、歹(がつ)と人(匕=ひ)とを組み合わせた形。古くは死体を一時的に草むらに棄て、風化して残骨となったとき、その骨を拾ってほうむることを葬(ほうむる)という。→白川静『常用字解』

 「霊」は靈に作り、〓(れい=雨の下に口3つ)と巫(ふ)とを組み合わせた形。〓は雨乞いのために、口(さい=神への祈りの文である祝詞を入れる器の形)を三つ並べて祈ることをいう。巫はその雨乞いをする巫女(みこ)→白川静『常用字解』

 埴谷雄高の小説『死霊』は、「しりょう」ではなく「しれい」と読む。大学時代、当時話題になったことで私も『定本 死霊』を手にしてみたが、内容が難解で、ボンクラ頭にはなかなか理解できなかった。

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【タイムラプス】10月9日(金)6:04〜7:04の韮山方面の雨空。29秒。

https://twitter.com/aisakajiro/status/1314754724948713472?s=21