いずぃなり

伊豆でのシニアライフ

青虫の疎まれて秋蝶になる(あ)

 午後7時から隣の地区の公民館で、市長も出席して「市政懇談会」が行われた。時間にして約1時間。

 市長の挨拶の中に、「みなさん、台風が来ると知って何をしますか?」という問いかけがあった。私はとっさに、雨戸を閉めて板を打ち付け、家が吹き飛ばされないように祈ることを思い浮かべた。が、市長は言った。「私は、父が戸板を打ち付け、母が大きな鍋でご飯を炊き、大量のおにぎりを作ったことを覚えている」と。台風後にその大量のおにぎりがどうなったかは語らなかったが、台風が来ると知ってやったことは、「自助」の行動、つまりは自分の命は自分で守ることが大事だということだろう。

 私は常々、台風が来ると知って雨戸を締め切ったら、それでなくても暴風雨に遮られて聞こえづらい同報無線(防災無線のことをそういうのだと今日知った)からの情報が益ます聞こえなくなって、放送の意味をなさないと思っていた。

 それで、市の危機管理課の方もそのことを重々承知の上として、メール配信サービスやLINEの「市公式アカウント」の活用を促していた。私はすでにアカウントを登録していて、市からの緊急情報は得られるようにしてあるが、基本はやはり「自助」なのだと思う。市は何もやってくれないと嘆く前に、自分でなんとかしようという気持ちを持たなきゃ、ですね。

 「自助」ではどうにも立ち行かなくなったときに、いよいよもって「避難」を考えるが、それだと時既に遅しの可能性が高い。

 ほんと「避難」のタイミングは難しい。川の氾濫で濁流の中に取り残され、救助を求める姿をテレビで見るにつけ、そうなる前になんでもっと早く避難しなかったかと思うけれど、できれば不自由な避難生活を避けたいという心理が働き、動きが遅れたのかもしれない。

 気象情報によると、南の海では新たに台風11号が発生した由だが、これは先の台風10号と違って日本への影響はないらしい。が、その後発生する台風が伊豆を直撃しないとも限らない。いや、それは常にあり得ることとして心しておかなければいけない。

 LINEで情報を逐一得られるとしても、それが台風を防いでくれるわけでもない。情報に惑わされることなく、ここは「自助」の活動が何より大事と心得ておこう。備えあれば憂いなし、である。

 

【今日の一枚】アゲハチョウの幼虫。

f:id:jijiro:20200917072752j:image

 甘夏の葉にへばりついていた。初めて見る幼虫で、たぶん蝶の幼虫かと思ってネットに当たったら、画像を見る限りではクロアゲハのようにも見えるし、ナガサキアゲハのようにも見えて、素人には判断がつかなかった。   

 クロアゲハがひらひら飛んでいるのは庭でよく見かけるが、ナガサキアゲハのは見たことがない。で、ナガサキアゲハで再度検索したら、アゲハチョウの中ではいちばん大きくて、幼虫はみかん科の葉を好むとある。

 写真の幼虫は、まさに甘夏の葉の上でうごめいていたので、これはナガサキアゲハの幼虫に違いないと思うが、飛んでいるのを見たことがないので何とも言えない。

 それにしても、見れば見るほど貫禄がありますねえ。体長は約3cm。

 今や、判らないことがあれば、ほとんどインターネットで検索すれば判るようになった。インターネットの中には膨大な情報が溢れていて、今回のように、アゲハチョウの幼虫の画像なんかもたちどころに見比べることができる。

 インターネットを利用して調べる側からすれば、まさに情報の宝庫なのだが、言うまでもなく、それは自分で調べたり実践したりした方の情報発信がなければ成り立たない。その労力を無償で提供してくれることに感謝する気持ちをこれからも忘れないでいたいと思う。

 

【書】「出典」しゅってん(No.455)

f:id:jijiro:20200917072734j:image

 「故事成語や引用句などのよりどころになった書物や作品。典拠」(『旺文社漢字典』第2版)

 「出」は、足がくぼみから出る図。「典」は、ものをのせる台に書物をのせている図。左右両手で丁寧に書物を扱っている様子が判る。

 

【タイムラプス】9月16日(水)5:15〜7:10の韮山方面の雨空。28秒。

https://twitter.com/aisakajiro/status/1306360682053427200?s=21