いずぃなり

伊豆でのシニアライフ

百日紅一皮むけて新芽かな(あ)

 暦は9月に入った。

 日中はまだ暑さが残るが、朝晩はすっかり秋の気配で、窓を開けて寝ることもなくなった。今まわっている扇風機も、いずれ物置小屋に仕舞われよう。

 今日の学校祭の朝練は1、3年がグランドで体育祭の練習、2年が合唱コンクールの練習に分かれた。私は体操着に着替えてグランドに出、主に3年学年種目「縦ムカデリレー」の練習を見守る。

 「縦ムカデ」は、3年前まではクラス全員が横一列に並ぶ「横ムカデ」だった。ムカデ競争が横から縦になったのは、3年前に骨折者が出たから。ゴールに倒れ込んだ際に足をくじいた子がいて、ストッキングの紐をほどいてもなかなか立ち上がれなかった。その子がクラスメートの肩を借りて保健室に運ばれて行ったが、閉会式では車椅子に乗って出て来た。そんなことがあって、翌年からは、5人、10人、15人、……30人と、つなぐ足が増えていくリレー形式の縦ムカデ競争になった。

 今日はその練習の初日。たかがムカデ競争というなかれ。これが結構な盛り上がりになるのだ。

 体育祭の花形はお昼を挟んで行われる各学年の全級リレー(クラス全員が男女混合で走る)だが、それにも増して体育祭最後の種目の縦ムカデ競争は、その順位によっては大逆転もあり得るとあって、応援にも熱が入る。順位はムカデの最後尾の人がゴールを通過したところで決着するが、途中、30人の足がうまく揃わず立ち往生することもしばしば。声を掛け合って再起するが、またしてもバタバタと倒れ一向に先へ進まない。頑張れ、頑張れの声援を受けて必死に歯を食いしばるが、ゴールにはまだ遠い。先頭のリーダーは半ベソをかきながらみんなを鼓吹する。そして、そのチームが全員ゴールテープを切った瞬間、場は惜しみない拍手の嵐となる。こうなったらもう順位なんてどうでもいい。みんなが全力を尽くして頑張ったというそのことに、担任は涙するのである。

 先輩たちのそういう姿を見ているから、今年の3年も絶対に手を抜かない。「一、二、三、四、そ〜れ、一、二、一、二」と声を出し、互いに励まし合いながら、足を揃える練習を重ねる。感動のシナリオはもうこの時から始まっていると言っていい。

 私は、今の3年の3クラス(全部で4クラス)で国語を教えた。だからだろうか、今の3年に対する思い入れはこれまでよりずっと強い。教室で寝てばかりいた子が、ムカデの先頭に立ってリードしている姿を見ながら、ああ、成長したなあとしみじみ思うのである。

 

【今日の一枚】サルスベリ(百日紅)の新芽。

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 先月初め、花の咲かない百日紅の枝を2本伐り落としたが、今日見たら、伐り落とした枝の脇から新芽が出ていた。自然の生命力ってすごいね。ここからどういうふうに枝を伸ばしていくのか見守っていこう。

 

【書】「氏神」(No.440)

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 「①氏族の祖先として祭る神。②その土地の守り神。鎮守(ちんじゅ)の神。産土(うぶすな)神」(『旺文社漢字典』第2版)

 「神」の字が面白そうだったので書いてみたが、書き終えたら意外にそうでもない。

 

【温泉】一二三荘。

 

【タイムラプス】9月1日(火)4:59〜6:54の伊豆長岡の空。28秒。

https://twitter.com/aisakajiro/status/1301038796968923136?s=21