いずぃなり

伊豆でのシニアライフ

鳥威釣られて空に舞ひ狂ふ(あ)

 昨日泊まった呑兵衛ランナーは、私が目を覚ました時にはすでに床を抜け、狩野川の土手を走りに行っていた。そう言えば昨日、せっかく走る用意をして来たからちょっと走って来ると言っていたような気がするが、よく覚えていない。朝日を顔にまともに受け、暑くて寝てられないと思って起きたら、友はすでに走りに出かけた後だった。

 「走るの嫌いなんだよねえ」と言いながら、30℃を超す猛暑の中に飛び出して行くんだからすごい。私はと言えば、のこのこ8時に目を覚まして、ああ昨夜は呑み過ぎたと、扇風機をかけながらまた横になるという体たらく。友は私より4ヶ月ほど先輩だが、体力の衰えを微塵も感じさせない。

 来月は福島の川内村で行われるマラソンにカエルの格好をして走るのだとか。想像すると可笑しいが、コロナ禍の影響で全国のマラソン大会が次々と中止に追い込まれる中で、走れるのは本当にありがたいという気持ちが言葉の端々に感じられる。「走るの嫌いなんだよねえ」と言いながら、しっかり下見にも出かけているところをみると、本当は走りたくてウズウズしているのでしょう。

 午前10時を回ったところで「修善寺まで走って来た」と言いながら、炎のランナーは帰って来た。友が炎天を走っている間、私も庭の草むしりくらいはやろうかと、少しはその気になって庭に出たものの、あまりの暑さに頭がクラクラしてやめた。

 呑兵衛ランナーがシャワーで汗を流している間、朝食の支度にかかる。といっても、定番のホットサンドですが。二人で遅い朝食を摂りながら、友がホットサンドメーカーが欲しくてAmazonを覗いたりしていると聞き、ならば、食事が終わったら買いに行こうと話がまとまり、私が買った修善寺のホームセンターまで出かけた。

 ホットサンドメーカーは、あった。最初は見つけるのにマゴマゴしたが、たい焼き機の隣に見つけた。

 私は砂利を4袋買った。砂利は外の物置小屋周辺に敷くのである。カミさんが来たとき、いつも車で運んでもらおうとしていつも忘れる。というか、カミさんは伊豆へ来るだけで疲れ切っているので、孫にせがまれればどっこいしょと買い物に腰を上げるが、それ以外は、例えば私が砂利を運んで欲しいと頼もうものなら、家で横になっていたいと拒否されるのがオチで、だから気弱な私は頼めないというのが実際のところ。

 友には、これまで何度となく修繕材料を運んでもらった経緯がある。家の柱や濡れ縁のペンキも塗ってもらったし、こと修繕に関してはカミさん以上に手を煩わせている。今でも、ああ、この柱のペンキは友に塗ってもらったんだな、ホームセンターで軽トラを借りて材料を運んでもらったりもしたっけ。そんな思い出が家の随所に見られる。だから、我が家というよりは、共同でこしらえた隠れ家みたいなところがあって、終の住処としてここに住んでいられるのも友のおかげだと感謝している。

 それで、頼みやすさもあって、砂利を運んでもらうことにした。助かりました。ありがとう。またいつでも遊びに来てください。

 

【今日の一枚】鳥威(とりおどし)。

f:id:jijiro:20200831072140j:image

 石板を買いに行く途中に通った田んぼの上を泳いでいた。釣竿にテグスで結ばれ、鷲や鷹がいかにも獲物を狙って舞っているように見える。

 鳥威といえば、代表的なのは案山子(かかし)だが、この地区では案山子をあまり見かけない。青森の田舎の田んぼでは、カーバイトで空砲を鳴らしていました。空砲が鳴ると雀の大群が一斉に飛び立ち、しばらくしてまた戻ってくる。その頃合いにまたカーバイトが鳴る。そしてまたまた雀が大挙して飛び立つ……。それをずっと繰り返していたように思う。

 それにしても、昔あんなにいた雀の大群を今はほとんど見かけなくなりました。

 

【書】「午寝(ごしん)」(No.438)

f:id:jijiro:20200831072106j:image

 「ひるね。午睡」(『旺文社漢字典』第2版)

 

【温泉】一二三荘。

 

【タイムラプス】8月30日(日)16:15〜17:48の伊豆長岡の空。23秒。

https://twitter.com/aisakajiro/status/1300196647519940608?s=21