いずぃなり

伊豆でのシニアライフ

吊られたるメロンの重み誇らしく(あ)

 美術の時間に、子どもたちと一緒に粘土をこねて湯飲みを作った。粘土は陶芸用の本格的なもので、美術の先生曰く、とても高価なものだそうだ。

 せっかくだから、一緒にやりませんか? と担任の先生の誘いで、はい喜んでと加わった。担任の先生も美術の先生だが、クラスの美術を担当せず、他の普通クラスの授業を受け持っている。そう決めたのは前任の校長先生だが、なぜそうしたかは我々下僕には判らない。

 湯飲みを作った、と言ったが、まあ私の場合は焼酎お湯割の器ですね。

 粘土で玉を作り、手ろくろ(回転台)に乗せて、クルクル回しながら形を整えていく。器の深さはちょうど指の長さで、というか手で形を作っていくにはそれが限界。

 ある程度の形になったら、表面に模様を刻む。縄文土器のように、縄模様も面白いと思ったが、単に「囗」の中に「じ」と彫るだけにとどめた。そうしたら、先に出来上がった子が「私が絵を描いたげる」と言いながら、竹串でハートとイルカの絵を描いてくれた。これがなかなかいい。思わぬサプライズで、私の作品が宝物になった。

 これが先週までの話で、今日の授業はその続き。

 今日は高台(こうだい)を作った。高台とは、茶碗や鉢などの底に付いている台のこと。これがないと焼いた時に形が歪んだりするのだそうだ。へええ、そんなこと初めて知った。

 本当はもう1時間あれば、ある程度納得の作品に仕上げることができたが、残念ながら時間切れ。今日できた作品は、夏休み中に美術の先生が全員分をまとめて窯で焼いてもらうそうで(学校には窯がない)、焼き上がったのに釉薬を塗ってさらに焼いて仕上げるのが本当のところだが、今回は焼くのは最初の一回だけとのこと。大丈夫かな、そんなんで焼酎が器に染みて漏れたりしないかなと、私としてはそっちの方がつい心配になる。

 担任の先生は、趣味で陶芸教室に通っていらっしゃるそうで、私はそれにも誘われたが、丁重にお断りした。陶芸は面白そうで、仕上がった器に料理を盛るのも楽しいだろうなと思うけれど、今は絵だけで十分。これ以上趣味範囲を広げたら、首が回らなくなっちまう。

 

【今日の一枚】技術室外のメロン。

f:id:jijiro:20200804072739j:image

 「マスクメロン」と洒落たわけでもなかろうが、技術の先生が、ネット栽培のメロンにマスクをかけていた。なるほど、アイデアだね。私も来年やってみよう。

 

【書】「衛生」(No.417)

f:id:jijiro:20200804072725j:image

 「衛」の字を、もう少し大きく書いてもよかったかもしれない。

 「衛」と「生」は、組み合わせとしては、あまり面白味がないな。

 ちなみに、この「衛生」という言葉は、明治時代に長与専斎が『荘子』の庚桑楚篇からあてたとされる。敢えて「養生」とせず「衛生」としたところに新しい時代を作るという気概が感じ取れる。長与専斎は、岩倉遣欧使節団に随行して渡欧している。

 

【ディジタル画】フードを被った少年(No.67)

f:id:jijiro:20200804072706j:image

 元画像は、フードの中の頭髪とフードの裏地と影が渾然となっていて、そこをどう表現するかに腐心した。写真だと、パシャっとシャッターを押すだけで作品になるが、絵の場合は2時間半かかる。仕上がりのスピードで言えば飛行機と徒歩くらいの差があるが、徒歩でなければ見られない光景もあるだろうと思いながら描いている。

 今日もトレースには「6B(鉛筆)」を使い、彩色に「エアーブラシ」を使っている。

 

【温泉】一二三荘。

 

【タイムラプス】8月3日(月)5:27〜7:16の伊豆長岡の空。27秒。

https://twitter.com/aisakajiro/status/1290414856936411137?s=21