いずぃなり

伊豆でのシニアライフ

山霧の消えてかなかな朝ぼらけ(あ)

 カナカナカナカナ。

 ヒグラシ(蜩)が鳴き始めた。哀愁を誘う声である。

 「かなかなと鳴きまた人を悲します 倉田紘文」

 この蜩、歳時記では「秋」の季語になる。夕暮れに鳴くから「ヒグラシ」の名がついたというが、私がもっぱら聞くのは明け方。

 午前4時半ごろ、タイムラプス撮影のためにデッキに上がると、まだ日の明けやらぬ薄明の彼方からカナカナカナと聞こえてくる。雨空を恨めしく仰ぎながら熊本の豪雨災害を思い、悲しげに鳴く蜩の声に耳をすます。

 「かなかなのかなをかなしく鳴きをはる 加藤洋子」

 それにしても今年の梅雨は、例年にも増して雨の日が多い気がする。しかも降り方が生半可じゃない。

 九州に続いて飛騨地方にも被害をもたらしたのは線状降水帯。次々に雨雲が発生し大量の雨を降らせる。川が氾濫し、橋が流され住宅が水に浸かる映像をニュースで見るにつけ、もしこの降水帯がちょっと南にずれて伊豆を襲っていたら、私の住む一帯はどうなっていただろうと思う。狩野川は無事でいただろうか。

 幸い、私の住むところは高台にあり、狩野川がもし氾濫したとしてもたぶん水害にはならない。が、土砂崩れが起こる心配はある。ここはほとんどが傾斜地だから裏山が崩れて住宅が土砂に埋れるとか、倒木で道路が寸断されて車での移動ができなくなるとかの可能性がある。水道が止まり停電になることも考えられる。もしそうなったらどうするか。

 行政提供のハザードマップで危険区域を事前に把握しておいても、実際に土砂崩れで道路が寸断されたら、身動きが取れない。陸の孤島と化す。断水しても給水車が入って来れない。停電になれば頼みのスマホも充電できない。

 そうなったら、我が家は湯ヶ島から汲んできた湧き水をストックしてあるし、ガスの供給が止まっても薪ストーブで炊き出しができるし、トイレは庭に穴を掘って簡易トイレを設ければよいと以前書いたことがある。

 でもそれは、自分だけ助かればいいという発想だと遅ればせながら気づいた。今年は自治会の役員を仰せつかり、災害時の避難場所になる公民館の運用についても思いを巡らさなければいけない立場になった。

 九州熊本や飛騨高山の災害は決して対岸の火事ではない。自分たちの地域に同じような災害が起こった場合どうするか。どうすれば地域区民の安全を守れるか。そのことを考えていかなければいけない。

 

【今日の一枚】雨打ち付けるデッキ。

f:id:jijiro:20200710172740j:image

 今年の梅雨はよく雨が降る。降ってもしとしとならいいが、半端ない降り方をする。

 今日も夕方になって雨に降り込められ、湯屋に行けなかった。

 実際には叩きつけるような強い雨だったが、こうして写真で見ると、それが伝わってこない。

 デッキにペンキを塗らなければと、2階にペンキと刷毛を用意してあるが、土日に晴れてくれないからペンキも濡れない。

 

【ディジタル画】髭もじゃの男(No.48)

f:id:jijiro:20200710172708j:image

 背景に、昨日と同じ「フレスコ画」ブラシを使った。そこへ少し「ぼかし(ガウス)」を加えた。これで約1時間。シャツの模様にてこずった。模様を描くだけで30分かかった。漫画だったらどういう描き方をするんだろう。

 

【温泉】雨につき内風呂で我慢。

 

【タイムラプス】7月9日(木)4:27〜7:12の韮山方面の雨空。20秒。

https://twitter.com/aisakajiro/status/1281506589388623873?s=21